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ソーラセル効率倍増に超薄材料

May, 17, 2023, Fort Collins--Colorado state University(CSU)の研究者によると、シリコンPV技術は、限界があり、太陽光から収集したエネルギーの最大40%を廃熱の形で失う。研究チームは、ソーラパワーを改善する根本的に新しい方法を研究し、業界が開拓するオプションを提供する考えである。

CSU化学者は、シリコンを使わないで、自然界に豊富にある二硫化モリブデンを使用してソーラセルを作ることを提案している。光電気化学と分光学的技術の独創的組合せを利用して研究者は、一連の実験を実施し、二硫化モリブデンの極薄膜が前例のない電荷キャリア特性を示すことを明らかにした。これは、いずれ、ソーラ技術を根本的に変革することができる。

実験は、化学Ph.D学生Rachelle Austinとポスドク研究者Yusef Farahが主導した。Austinは、化学学部准教授、Justin Sambur、Amber Krummelと協働した。研究成果は、Proceedings of the National Academy of Sciencesに発表された。

提携により、Samburのナノスケール材料を利用するソーラエネルギー変換における専門技術とKrummelの超高速レーザ分光学の専門技術を組み合わせた。多様な材料がどのように構造化され、どう振る舞うかを理解するためである。Samburのラボは、可能性のある代替ソーラ材料として硫化モリブデンに関心を持っていた。Austinの説明によると、硫化モリブデンは、わずか3原子厚でも光吸収能力かあるという予備データに基づいている。

Krummelに眼を向けた時である。同氏のラボには、最先端の超高速ポンププローブ過渡吸収分光計があり、レーザパルスで励起される個々の電子の連続的エネルギー状態を極めて正確に計測できる。この特殊な計測器を使う実験により、システムでどの程度の電荷フローがあるかをスナップショットできる。Austinは、硫化モリブデンの単原子層を使って光電気化学セルを作製し、さらにチームは、ポンププローブを使って、電子が材料を通過する際に、その冷却を追跡した。

研究チームの発見は、驚くべき効率的な光からエネルギーへの変換であった。さらに重要な点は、レーザ分光学実験によって、この効率的な変換の理由を示すことができたことである。

研究チームは、その材料が、光をエネルギーに変換する点で優れていることを確認した。その結晶構造が、いわゆるホットキャリアのエネルギーを抽出して活用できるからである。ホットキャリアは、高電気エネルギー電子であり、十分な可視光を受けるとその基底状態から短時間に励起される。AustinとFarahは、光電気化学セルに、これらホットキャリアからのエネルギーが、熱として失われるのではなく、直ちに光電流に変換されことを確認した。このホットキャリア抽出現象は、従来のシリコンソーラセルに存在しない。

Samburは、「この研究は、効率的で大規模な水素製造のためのこれらナノスケール材料を含むリアクタの設計法に道を開く」とコメントしている。

プロジェクトは、コロラド大学(University of Colorado Boulder)、理論化学とコンピュータモデリング、Andrés Montoya-Castillo教授とDr. Thomas Sayerと協働で、実験データの説明と検証を行った。
(詳細は、https://natsci.source.colostate.edu/)