April, 20, 2023, Washington--中国科技大学の研究者は、動的超高密度3Dホログラフィックプロジェクションを実現する新しい方法を開発した。
より多くの細部を3D画像に詰め込むことで、この種のホログラムは、われわれの周囲の世界の現実的な表現を可能にする。これは、仮想現実(VR)や他のアプリケーションに使える。
中国科技大学の研究チームリーダー、Lei Gongは、「3Dホログラムは、連続的で細かい特徴を備えた現実的な3Dシーンを提供できる。VRには、われわれの方法をヘッドセットベースのホログラフィックディスプレイに使って視野角を著しく改善することができる。これは、3D視野エクスペリアンスを強化する。ヘッドセット不要で、より優れた3D映像も可能になる」と話している。
3D物体の現実的に見えるホログラフィックディスプレイを造るには、高解像度の画像を多数の連続的面、つまり相互に近接したレイヤに投影する必要がある。これは、高い奥行き分解能を達成する。ホログラムを立体にする深さキューをもたらすことが重要である。
OpticaでGongのチームとシンガポール国立大学、Chengwei Qiuのチームは、その新しいアプローチ、いわゆる3D散乱アシスト動的ホログラフィ(3D-SDH)を説明している。マルチプレーンホログラフィックプロジェクションでは、深さ分解能が最先端の方法よりも3桁以上優れていることを研究チームは示している。
「われわれの新しい方法は、現在のデジタルホログラフィック技術に昔から存在する2つのボトルネックを克服している、低い軸分解能と高い面間クロストークである。これらは、ホログラムの奥行きの微調整を阻害し、したがって3Dディスプレイの品質を制約する。われわれのアプローチは、より多くのデータをホログラムに暗号化できるようにしてホログラフィベースの光暗号化を改善できる」とGongは、話している。
より多くの詳細なホログラムを生成
ダイナミックホログラフィックプロジェクションの実現には、空間光変調器(SLM)を利用して、光ビームの強度および/または位相を変調する必要がある。しかし、今日のホログラムは、品質面で制約がある。現在のSLM技術が、わずかな数の低解像度画像を別々の面に、低い奥行き分解能で投影できるに過ぎないからである。
この問題を解決するためにチームは、SLMとディフューザを組み合わせ、SLMの特性で制約されることなく、著しく少ない量で、多数の画像面の分離ができるようにした。面間のクロストークも抑制し、光散乱と波面成形を活用することで、このセットアップは、超高密度3Dホログラフィックプロジェクションを可能にする。
その新しい方法をテストするためにチームは、まずシミュレーションを利用して、それが、面間の遙かに小さな深さインタバルをもつ3D復元物を生成できることを示した。例えば、単一の1000×1000-ピクセルホログラムに0.96㎜の深さインタバルで125の連続画像面で3Dロケットモデルを投影することができた。これは、他の最近開発されたアプローチ、ランダムベクトルベースコンピュータ生成ホログラフィを利用した深さ間隔3.75㎜の32画像面と比べることができる。
そのコンセプトを実験的に検証するためにチームはプロトタイプ3D-SDHプロジェクタを構築して動的3Dプロジェクションを作り、これを、従来の3Dフレネルコンピュータ生成の最先端のセットアップと比較した。チームは、3D-SDHが、従来よりも3桁以上、軸分解能の改善を達成したことを確認した。
研究チームが実証した3Dホログラムは全て点群3D画像であり、それは3D物体の固体を示すことはできない。最終的にチームは、ホログラムで3D物体の集合体を投影できるようにしたいと考えている。それにはもっと高いピクセルカウントのホログラムと新しいアルゴリズムが必要になる。