April, 20, 2023, Albuquerque--ナノフォトニクスと超高速光学の分野における大きなブレイクスルーで、サンディア国立研究所の研究チームは、従来の、いわゆるインコヒレント光源からの光パルスを動的に操作する機能を実証した。
半導体デバイスを使って光を制御する能力により、ホログラム、リモートセンシング、自動運転車や高速通信などの新技術で、LEDsやフラッシュライトバブなど、ローパワー、比較的安価な光源が、強力なレーザビームに置き替え可能になる。
「われわれの成果は、インコヒレントな光ビームの操作ができると言うことである」とサンディアの研究者、Nature Photonics論文の筆頭著者、Prasad Iyerは話している。
インコヒレント光は、旧来の白熱電球、LEDバルブなど多くの一般的な光源から放出される。この光は、フォトンが多様な波長でランダムに放出されるのでインコヒレントと呼ばれている。しかし、レーザからの光は広がらず、散乱しないフォトンが同じ周波数と位相であるでコヒレント光と言われている。
研究では、チームは、メタサーフェスという人工構造材料を使い、インコヒレント光をて操作した。メタサーフェスは、メタ原子という微小な半導体ビルディングブロックでできており、非常に効率的に光を反射するように設計できる。メタサーフェスは、光線を任意の角度に操作できるデバイスの作製に有望性を示していたが、コヒレント光源向けにしか設計できなかったので、課題があった。理想的には、LEDのように光を放出する半導体デバイスが必要である。光放出を操作して、制御電圧を印加することで角度を決め、可能な限り最速に角度操作を変えられるようなデバイスである。
研究チームは、量子ドットという微小な光源を内蔵した半導体メタサーフェスからスタートした。制御光パルスを使うことでチームは、その表面が光を反射する仕方を変え、再構成し、量子ドットからの光波を様々な方向に操作することができた。70°を超える範囲、1秒の1兆分の1で操作し、大きな成功を収めた。レーザベースのステアリングと同様、操作されたビームは、インコヒレント光の動きを制限し、広視野角に広げ、またそうではなく、遠くに明るい光を生成する。
光を手なづける
以前には不可能と考えられていた成果、チームの原理実証作業は、ナノフォトニクスや超高速オプティクスの分野での開発に道を開く。インコヒレント光をダイナミックに制御し、その特性を操作できると、アプリケーションの幅は広い。
一つのローパワー利用は、通常の視力で、地図や青写真にオーバーラップするように使用する軍用ヘルメットスクリーンを明るくする用途。「スペースが重要であるようなアプリケーションでは、小サイズと低重量のメタサーフェスLEDディスプレイによる光放出の操作は、この技術で将来的に可能になる。われわれは、単にそれをON/OFFするよりも、もっとよい方法で発光される光を利用することができる」。
その技術は、新しい種類の小さなディスプレイになる。ローパワーLEDsを使い、目にホログラフィック画像を投影する、これはAR/VRデバイスでは特別な関心事である。他の用途は、自動運転車。そこではLiDARを使って、車道の物体を検知する。
関心の表れでは、サンディア研究者、論文の著者、プロジェクトの主席研究者、Igal Brenerによると、チームは商用光源から複数の問い合わせを得ている。「商用製品は、5~10年先になるだろう、特に全ての機能をオンチップで実現しようとする場合である。コントロール光パルスを使って光操作に必要なメタサーフェスに変化を与えることはないが、むしろこのコントロールを電気的にする。われわれはアイデアや計画があるが、まだ早い。フォローする光を放出できるLED電球を考えてみよう。すると、誰もいないところで、全てのその照射を無駄にすることはない。これは、われわれがDOEとともに長年夢に見ていた多くのアプリケーションの一つである。例えば、オフィス照明のエネルギー効率である」と同氏は話している。
同じように、手なづけられた光は、手術、自動運転車など、特定の関心領域でのみ必要とされる集束照明のシナリオで、いずれ恩恵をもたらす可能性がある。
(詳細は、https://newsreleases.sandia.gov)