March, 1, 2023, 東京--東京工業大学など国内研究期間の共同研究グループは、量子ネットワーク応用が期待されているダイヤモンド中のスズ-空孔(SnV)中心において、複数のSnV中心から発光波長および発光線幅がほぼ同じである同一なフォトンを生成することに成功した。
量子ネットワークでは、各量子ネットワークノード間を量子もつれでつなぐ必要があり、その実現には発光波長および発光線幅が同じである同一なフォトンの生成が鍵となる。
研究では、高エネルギーに加速したSnイオンをダイヤモンド基板に打ち込み、2,100℃で加熱することでSnV中心を形成した。高精度な発光励起分光計測から、複数のSnV中心から同一なフォトンの生成を観測した。今後、離れた位置のSnV中心を用いた量子干渉計測および量子もつれ形成を実証することで、ダイヤモンド量子光源を基盤とする量子ネットワークへの応用が期待できる。
研究成果は2月23日(米国東部時間)にアメリカ物理学会の「Physical Review Applied」にオンライン掲載された。また、優れた論文としてEditors’ Selectionに選定された。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp)
共同研究グループ
東京工業大学 工学院 電気電子系の岩﨑孝之准教授、物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の谷口尚拠点長、産業技術総合研究所 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センターの宮本良之上級主任研究員、量子科学技術研究開発機構 高崎量子応用研究所の小野田忍上席研究員