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ペロブスカイト、シリコンの「大幅安」代替

February, 24, 2023, NY--ロチェスタ大学のオプティクス教授は、金属の力を借りる秘訣を説明している。
シリコンは豊富にある天然素材で、CPUs、半導体チップ、ディテクタ、ソーラセルなど多くのアプリケーションで使用される標準的な半導体材料である。しかし、採掘と純化にコストがかかかる。

ペロブスカイトは、その結晶構造から名付けられた材料ファミリであり、近年、遙かに安価であり、ソーラセルやディテクタで同等効率でシリコンと置き換えられる特別な有望性が示された。ロチェスタ大学、オプティクス教授、Chunlei Guoをリーダーとする研究は、ペロブスカイトが遙かに効率的であることを示唆している。

研究者は、一般にウエットラボでペロブスカイトを合成し、その材料をガラス基板に膜として適用する。

Guoのチームは、新しい物理学ベースアプローチを提案している。金属層または、ガラスよりも金属や誘電体材料の交替層のいずれかの基板を利用することで、ペロブスカイトの光変換効率が250%増となることを研究チームは、確認した。
研究成果は、Nature Photonicsに報告されている。

「他の誰もペロブスカイトのこの観察には至らなかった。突然、われわれがペロブスカイトの下に金属プラットフォームを置くと、ペロブスカイト内の電子の相互作用が全く変わってきた。したがって、われわれはその相互作用を設計する物理的な方法を利用する」とGuoは話している。

新しいペロブスカイト-金属の組合せで多くの驚くべき物理学が生まれる
金属は恐らく、自然における最も単純な材料であるが、複雑な機能獲得のために使うことができる。Guo Labは、この方向で幅広い経験を有している。同研究室は、幅広い技術を開発している、単純金属を漆黒に変換、超親水性(水を引き寄せる)、あるいは超疎水性(水を退ける)など。強化された金属は、最近の研究ではソーラエネルギーの吸収や水純化に使われている。

新しい論文では、金属そのものを強化する方法の紹介の代わりに、Guo Labは、ペロブスカイトの効率を強化するための金属の使い方を実証した。

「ウエットラボでは、一変の金属が、正に複雑な化学工業と同様の働きをすることが可能である。その新研究は、特に未来のソーラエネルギー収集に有用かもしれない」(Guo)。

ソーラセルでは、Guoの説明によると、日光からのフォトンは、電子と相互作用して電子を励起する必要がある。これにより電子は、原子核を離れ、電流を生成する。理想的には、ソーラセルは、励起電子を原子核に引き戻して電流を止めるには弱い材料を利用する。

Guoの研究室は、ペロブスカイト材料と金属層、あるいは、銀、貴金属、酸化アルミニウム、誘電体の交替層で構成される金属材料基板、このいずれかと組み合わせることでそのような再結合がかなり妨げられることを実証した。

結果は、「多大な驚くべき物理学」により電子再結合の著しい低減となった」(Guo)。実際、金属層はミラーとして機能する。これが、電子正孔対の反転画像となり、電子がホールと再結合する能力を弱める。

同研究室は、簡単なディテクタを使って、光変換効率で結果的に250%増を観察することができた。

ペロブスカイトがアプリケーションで実用になるにはいくつかの課題が解決されなければならない。特に、比較的急速に劣化する傾向である。現在、研究チームは、新しい、より安定したペロブスカイト材料の発見で競っている。

「新しいペロブスカイトが登場すると、われわれは、われわれの物理学ベースの方法を使って、そのパフォーマンスをさらに強化することができる」とGuoは、話している。

(詳細は、https://www.rochester.edu)