February, 20, 2023, Darmstadt--TU Darmstadtによると、量子イメージングは、以前には見えなかった領域の洞察を可能にする。腫瘍診断もこの恩恵を受けるか。量子オプティクスに特定の専門知見を持つTU Darmstadtは、8パートナーとともにこの問題を探求している。
Quancer研究プログラムは、予算670万ユーロ、連邦教育研究省(BMBF)が、「量子技術、基礎から市場まで」フレームワークプログラムの一環として560万ユーロを助成している。
ガンの診断には様々なイメージング法が用いられている。目的は、腫瘍組織を検出し、それを可視化すること。医者が疑わしい組織を発見すると、サンプルを採って、それをさらに調べる。診断の至適基準はコントラスト法である。ある分子を染色し、光学顕微鏡でその分布を示す。
ますます、デジタル顕微鏡が使われるようになっている。これは、自動処理を可能にし、プロセスを高速化する。赤外顕微鏡など赤外ベースイメージング法は、デジタル病理学と結びついて、付加的情報を提供する。赤外光は、分子の刺激に用いられる。分子振動に基づいて、その性質について結論が引き出せる。組織は、造影剤なしで可視化される。ところが、この方法は、検出限界がある。赤外ディテクタは、効率とSNRに関して制限があるからだ。
“Spooky”量子イメージング
量子イメージングの助けを借りてこの問題は回避できる。これをするために、特殊な配列で2つの相関光ビームを使う。簡単に言うと、光ビームがフォトン、つまり光粒子を組織サンプルに送る。他方の光ビームは、フォトンをカメラに送る。両方のフォトンの量子相関により、例えカメラに届いた光がそれを「見ていない」としても組織サンプルの画像が作られる。これが”Spooky”量子イメージングである。
量子イメージングは現在、初めてプロ用顕微鏡に接続され、プロジェクトの一環として臨床環境でテストされることになっている。
「TU Darmstadtでわれわれは、基本特性のほとんどの実験を担当している。したがって、全てがあるべき様に動作し、われわれがある量子イメージング法を研究し、最適化できることを示す初のラボ実験を構築している。われわれの構造は次に、フラウンホッファオプティクス&精密工学研究所(Fraunhofer Institute for Applied Optics and Precision Engineering)により、コンパクトな形に変換され、産業パートナーRapp OptoElectronicが開発した顕微鏡に組み込まれる。次に、そのシステムはイェーナ大学病院で使用される。将来的には、新しいガン診断ツールが導入されることになる」と、Applied Physics (IAP)、Markus Gräfe教授は説明している。
(詳細は、https://www.tu-darmstadt.de)