February, 10, 2023, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると、世界のエッジコンピューティング市場規模は、2023-2030年にCAGR 37.9%成長で2030年に1559億ドルに達する見込である。
エッジ環境への人工知能(AI)組込が、市場の成長を促進すると予想されている。エッジAIシステムは、企業のリアルタイム、ミリ秒意思決定を支援すると推定されている。大量のデータ送信中の関連するプライバシー懸念を最小化する必要性、組織のデータ転送機能を制約する遅延と帯域問題の最小化の必要性は、この先数年で市場の成長を促進する主因と見られている。
機械制御や精密モニタリングは、エッジのAIに最適の利用例である。高速稼働する製造ラインの遅延要件は、最小限度に維持されなければならない。これは、エッジコンピューティング利用により遂行可能となる。データ処理を製造工場に近づけることが極めて重要であることが証明できる。これはAI利用により遂行可能となる。AIベースエッジデバイスは、幅広い範囲のエンドポイント機器で利用可能になる。センサ、カメラ、スマートフォン、他のIoTデバイスが、これに含まれる。
さらに、テレコムエッジは、予測期間に著しく成長すると推定されている。テレコムエッジは、テレコのミニデータセンタ隣接コンピューティングを実行する、これはテレコ所有の資産で行われる。TelstraやTelefonicaを含む複数の通信オペレータは、エッジコンピューティングを組み込んだオープンアクセスネットワークのプロトタイプやパイロットプロジェクトを開発している。エッジは、5G技術が完全に導入されると、テレコム産業の最前線に位置することになる。通信産業は、エッジコンピューティングを強化する格好の位置にあるが、通信ビジネスは、価値連鎖を上って行かないと、無関係なエッジサプライヤによって省略されるリスクがある。
現在、エッジコンピューティングのユースケースは、最初のインフラストラクチャ導入を追い越し、エッジコンピューティングインフラストラクチャとユースケース投資に勢いを与えると予想されている。エッジコンピューティングは、さらにユビキタスになり、予測期間にプラットフォームセントリックソリューションに向けて進化すると予想されている。この展開によりエッジプラットフォームは、オーケストレーションソフトウエアや高度なマネージメントを利用してインフラストラクチャの複雑さを低減でき、革新的なエッジサービスやアプリケーションを実行するプログラマーに使いやすい環境を提供する。
エッジコンピューティング市場レポートのハイライト
・予測期間で、エッジサーバセグメントが成長著しいハードウエアセグメントとなる見込である。複数の業種におけるエッジサーバ需要増が、同セグメントの有望な成長展望を説明している。
・アプリケーションでは、セルラーネットワークの展開により、AR/VRセグメントが、大きなCAGRで成長する見込である。これは、潜在的にエッジコンピューティングの発展となる。例えば、高品質VRエクスペリアンスをユーザに提供するために、Ericssonは、同社の無線インフラストラクチャと5Gコアを改善した。
・業種では、データセンタセグメントが、予測期間に最高CAGRとなる見込である。これは、エッジデータセンタが、一貫性のない接続を克服し、ユーザ近傍でコンピュートおよびデータを蓄積するからである。
・APAC地域は、予測期間に最高CAGR拡大が見込まれている。同地域における5Gの到来、IoT組込デバイス数の増加によるものである。5G対応アプリケーションをサポートするテレコエッジインフラストラクチャの進化が、5Gネットワーク開始により加速すると予想されている。