Science/Research 詳細

NTT、光で液体の特性や液中の粒子を超高感度に検出する技術を実現

November, 9, 2022, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、液体中の所望の位置で粒子や粘性を計測できる光ファイバを用いた超高感度センシング技術を実現した。
 液体の粘性や液中物質を高感度に検出・評価する技術の開発は、医療・材料応用に加え、レオロジーやバイオロジーといった幅広い分野において重要。特に、機械振動子を用いたセンシング技術は、センサを直接液体に挿入して計測・評価できる簡便な技術として注目されている。これまで、直径1センチメートル程度の水晶振動子センサを用いた電気計測が広く用いられているが、検出感度と空間分解能を抜本的に改善できる新しいセンシング技術の開発が期待されていた。
 NTTの研究では、微細なガラス線から作製した髪の毛サイズの機械振動子を用いて、液体の特性や液中粒子の質量を超高感度に計測できる空間分解能の高いセンシング技術を実現。光ファイバによる読み取りを可能とするこの新しいセンシング技術は、液体中の所望の位置での高感度な分子検出や、不均一溶液の特性評価など、従来手法では困難な応用展開を可能とするIoTセンサへの応用が期待される。
 研究成果は、米国の科学誌「Science Advances」(米国東部時間11月2日付)に掲載された。
(詳細は、https://group.ntt/jp)