September, 19, 2014, Atsugi--アンリツは、シグナルクオリティアナライザMP1800Aシリーズの機能を強化した。業界に先駆けて、400 Gbit/sや1Tbit/s等の次世代超高速伝送方式を評価できる超高速多チャネルBER測定機能を追加した。
クラウドコンピューティングサービスやスマートフォンによるデータ通信サービスの拡大にともない、データトラフィック量は増大の一途をたどっている。こうした状況に対応するため、基幹通信網の高速大容量化技術として、400 Gbit/sや1 Tbit/s伝送の研究開発が本格化している。400Gや1T伝送では、ビットレートを抑えながら、伝送容量を拡大させるために、振幅と位相の両方を変調させて情報を伝達するQAMが検討されている。
これらの伝送方式では、変調信号として1回の変調あたり2bitのデータを伝送する4PAM(Pulse-Amplitude Modulation)や3bitのデータを伝送する8PAM等が使用される。これらの変調信号を生成し、400Gや1Tの伝送試験系を構築するためには、高精度に位相を制御可能な多チャネルのデータ信号源が必要になる。
アンリツは、すでに32 Gbit/sまでの高速デバイス、伝送方式等の評価を可能とするシグナルクオリティアナライザMP1800Aシリーズと4PAM/8PAMの信号を発生させるソリューションを販売している。
さらに今回、MP1800Aシリーズの機能を強化。最大4台のMP1800Aを連結し、32 Gbit/sデータ信号を32チャネル同期動作させることにより、1Tbit/sの次世代超高速伝送方式の評価を可能とする機能を開発した。
また、最大32チャネルの同期した32Gbpsデータ信号を発生させるMP1800Aと、MZ1834A 4PAMコンバータもしくはMZ1838A 8PAMコンバータを組み合わせて使用することにより、Quad DP-16QAM、Dual DP-64QAM等次世代超高速伝送方式の試験系を構築可能。
MP1800Aは、プラグインモジュール形式のBERT(Bit Error Rate Test:誤り率測定器)であり、2チャネル32 Gbps PPGを4枚、または4チャネル 32 G PPGを2枚1つのメインフレームに実装できる。今回開発した超高速多チャネルBER測定機能を使用することにより、8chs分の32 Gbit/s パルスパターン発生器(PPG)を実装したMP1800Aを、最大4台まで同期させることができる。これにより、Quad DP-16QAM/Dual DP-64QAM等を使用した400 Gや1Tの次世代超高速伝送システムで必要とされる各種試験系を構築できる。
MP1800Aに実装する32 Gbit/s PPGは、2 mUIステップという高精度の位相可変機能を有しており、正確に位相を制御しながら試験系を構築できる。また、32 Gbit/s PPGのデータ信号のビットパターン自体も発生タイミングを制御することができるため、再現性に優れた試験系を構築できる。