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新しいソーラモジュールでグリーンハウスはエネルギー自給

September, 13, 2022, Lausanne--植物は、光合成のためにスペクトルのほんの一部からの光波を使う、残りは回収して太陽光発電に使える。
 EPFLスタートアップ、Voltirisが開発したソーラモジュールの背後にあるアイデアである。有望な暫定結果を受けて新たな試験導入が先頃Graubündenで行われた。

スイスでは、トマト、キュウリ、ピーマンなど光、熱集約的野菜には、グリーンハウス建設が必要になるが、1つのグリーンハウス運用は膨大な電力を消費する。農民は、環境に配慮しながら、慎重に収穫量と経済のバランスをとらなければならない。VoltirisのCEO、Nicolas Weberは、「5ヘクタールのグリーンハウスを温めるには、年に150万スイスフラン(CHF)かかる。また、その規模のグリーンハウスは、年に2000人の人々が排出するのとほぼ等量のCO2を出す」と言う。スイス連邦の果物&野菜の生産者は、国中で数千ヘクタールを耕作で利用している。2040年までに営農プロセスから全ての化石燃料ベースのエネルギーを除去する目標を設定した。Valaisが開発したシステムは、その目標達成に大いに役立つ。同技術は、植物は陽光に含まれる全ての波長を利用しないという事実に基づいている。残りをPVセルに集中し太陽光発電ができる。同社のシステムは軽量であり、空の太陽の動きを追尾するように設計されている。また、1日の電力生成は、従来のソーラパネルに匹敵する。Valaisのシステム下で成長した初の野菜が、Valais州とGraubünden州の 2つのグリーンハウスで行われたパイロットテストを通じて今夏に収穫された。

赤と青は植物に、残りはPVセルに
太陽光は作物の生育にとって重要である。植物は光合成のためだけでなく、屈光性(植物を光の方向へ成長させるもの)、光周性(植物が日の長さで季節変化に反応する仕方)にも太陽光を必要としているからである。しかし植物は、利用するスペクトルについては選択的である、赤と青い光に依存している。Valaisのフィルタは、これらの波長を透過させるが、他の波長(グリーンと近赤外)をPVセルに向ける。そこでソーラパワーに変換される。しかも、システムは、作物の収量を減らすことなくこの再生可能エネルギーを生成する。植物は、必要な太陽光の全てを受け取るからである。

システムは、誘電体ミラーで構成されている。それらは、観察条件にしたがい、異なる配色となっている。ガラスの色、メガネで利用される防眩コーティングを想起させる色は、透過する光に基づいてほぼ装飾的な感じで色を変える。2つの特許発明によりValaisのシステムは独特であり、極めて優れたパフォーマンスである。第1は、最適化された光学系は、効果的に太陽光を集める、2つ目は、屋根下利用に設計された太陽追尾デバイスである。これによりシステムがソーラパワーを生成できる時間が40%増える。これらのブレイクスルーにより、システムは、光波長の半分(グリーンと近赤外)だけで、従来のソーラパネルと同等のエネルギーを生成する。「われわれは、特殊作物のニーズに基づいて反射ガラスに様々な処理を加える計画である、さらなる収穫量改善のためである」(Weber)。その軽量インストレーションは、グリーンハウスの屋根と植物上端の間の空きスペースに収まる。

グリーンハウスのエネルギーニーズの60~100%を満たす
 新しいシステムのパイロットテストは、設置されたヒーティングシステムに依存するエネルギーニーズの60~100%を供給しながら、CO2排出を半分に減らすことができることを示した。
 Valaisは、オランダとジュネーブでさらにパイロットテストを行う予定である。製品の市場投入は、2023年下半期に予定されている。

(詳細は、https://actu.epfl.ch)