July, 19, 2022, Maharashtra--Zion Market Researchのレポートによると、世界のテラヘルツ(THz)と赤外(IR)分光法市場は、2021年に12億ドル、予測期間にCAGR 21.09%で成長して、2028年には43億ドルに達する見込である。
テラヘルツ(THz)分光法は、その固有の特徴、フィンガープリントスペクトル、バイオセイフティ、優れた浸透性などにより世界の注目を集めることができている。THzは、電磁スペクトルの1つの帯域で、マイクロ波と遠赤外の間にあり、0.1~10 THz放射、対応する波長は3㎜~30µmで定義されている。THz放射の並外れた特徴には、フィンガープリントスペクトルがある。これは、物質の検出、認識に使うことができ、X線と比べるとバイオセイフティが優れており、コヒレント測定ができ、優れた表示と共に高い空間的、時間的分解能がある。したがって、衣類、プラスチック、セラミックスなどの誘電体材料を透過することができる。
赤外(IR)分光法は、品質や数量検査で使われる吸収法。赤外領域は、電磁放射を含むスペクトルを構成する。これは、有機分子の共有結合の回転および振動状態を変える。有機化合物のIRスペクトルは、吸収特性を解釈、スペクトルライブラリと比較することで未知の物を特定するために用いられる排他的な物理特性のようなものである。同技術は、刑事事件または民事事件支援に科学捜査で広く利用されている。技術の進歩により、IR分光計は、コンパクトサイズで製造されるようになっており、簡単に現場に持ち込める。
THzおよびIR分光計の高コストが、世界市場の成長の制約となる見込である。ヘルスケア分野における需要増が、世界市場拡大で成長機会となる可能性がある。新興経済における支払い能力の欠如は、世界市場の成長にとって課題となるかも知れない。
世界のTHzおよびIR分光法市場は、技術、スペクトル、エンドユース、アプリケーションおよび地域に分けられている。
技術ベースでは、世界市場セグメントは、マイクロコピー、ベンチトップ、複合、ポータブル&ハンドヘルド。世界市場は、ベンチトップが主導する見込であり、これにポータブル&ハンドヘルドが続く。これらの分光計の設置に必要なスペースが少ないことに加えて、柔軟性とワークフローの改善によるものである。
スペクトルでは、世界市場セグメントは、近赤外放射、遠赤外放射、中赤外放射となる。世界市場は中赤外放射が優位を占めた。食品産業への大きな貢献とともに、ヘルスケア分野と製薬アプリケーションでの利用が増加したからである。
エンドユーザでは、グローバル市場は、産業化学、飲食品テスト、環境テスト、製薬&バイオテクノロジー。製薬&バイオテクノロジーとともに飲食品テストにおけるアプリケーションの増加が、世界市場の成長を後押しすると予測されている。
アプリケーションでは、国土安全保障、半導体、バイオメディカルR&D、非破壊試験が世界的な市場セグメントである。半導体産業におけるアプリケーションが、今後数年で最高収益を生み出す見込である。
APACは、予測期間に世界のTHzおよび赤外分光法市場をリードする見込である。これは、同地域でインドや中国などで、強化された政府のイニシアチブ、ビジネスリーダー数の増加により成長が活発になっているからである。台湾は、マイクロ技術における並外れた成長で知られた主要国であり、巨大輸出国でもある。半導体産業は、これらの地域の経済成長に大きく貢献しており、この産業の成長は、THzおよびIR分光計のプラス需要に直接影響を与える。
北米は、予測期間に高収益を生み出すと見られている。世界的フットプリント拡大支援のために市場プレイヤが活発に活動しているからである。
最近の開発
2020年、TS9001システムで日本のアドバンテストが、TDR(時間領域反射測定法)を発売。これは、THz技術で、回路欠陥の場合、高分解能分析ができるので、半導体産業の成長をさらに一歩推し進めることになる。
(詳細は、https://www.zionmarketresearch.com/)