July, 13, 2022, Durham--従来のラボベースプロセスを逆にすることでデューク大学の研究者は、光操作メタサーフェスの能力を大幅に拡張した。同時に、エレメント(素子)に対して遙かにロバストにした。
その組合せにより、これらの素早く成熟するデバイスは幅広い実用的アプリケーションで使えるようになる。例えば、シングルシャッタスナップで広い光スペクトルの画像を撮るカメラなど。
研究成果は、Nano Lettersに発表された。
プラズモニックは、基本的に、金属表面で共振する電子群の光エネルギーをトラップする技術。これは、入力光と相互作用する、小さいが強力な電界を生成する。
従来、これらの電子群、つまりプラズモンは、金属ナノキューブ表面で励起された。ナノキューブサイズと、その相互間隔、下の金属ベースをコントロールすることでシステムは特定の光波長を吸収するようにできる。
これらの、いわゆるプラズモンメタサーフェスは、3層構成である。金属ベースは銀ナノキューブで覆った、ナノメートル厚透明基板で被覆されている。この構成はラボのデモンストレーションでは良好に機能したが、それには創造性がほとんどない。ナノ粒子エリアが下の金属面数ナノメートル内になければならないので、研究者は多様な形状を利用できなかった。
この平坦性要件を回避するためにデュークの電気&コンピュータ工学Maiken Mikkelsen准教授(James N. and Elizabeth H. Barton)と同氏のチームは、 各ナノ粒子を独自の窪み、つまり井戸に入れることにした。これは、金属のナノ粒子の低い方の全体を金属で囲み、サイドがボトムとともにプラズモンをホストできるようにする。しかし、信じられないような厳しい許容値により、これは言うは易し行うは難しである。
「われわれは、センチメートルサイズのウエファ表面で1nm精度で一定の寸法を制御する必要がある。それは、フットボール場で草の葉の厚さをコントロールしようとするようなものである」(Mikkelsen)。
この課題に応えるために研究チームは、従来の製造プロセスを根本的に逆にした。金属表面から始めて薄い透明基板を上にしてその後にナノキューブが来るのではなく、研究チームはナノキューブから始める。これは、下部の形状に続く、まさに薄いスペーサコーティングでカバーしている。さらに金属コーティングで仕上げる。それは、ほぼ上下を逆にしたパイナップルケーキのようである。そこではナノキューブは、キャラメル化した砂糖で覆われ、焼かれて薄いボトムになったパイナップルである。
今度は、ナノキューブの複数の面がギャップの間にプラズモンをトラップできるので、チームは、新しいナノ粒子形状で実験を3Dで実験できた。論文では、チームは、固体球と立方八面体(8個の三角形面と6個の正方形面で構成)、それに石英コアを持つ金属球を試した。
「ナノ粒子の合成は手際を要する、また個々の形状には制約が存在する。ほぼ全ての形状を利用することができるようになるとでわれわれは実際に、多くの新たな可能性を開き、これには多様な金属の研究が含まれる」(Mikkelsen)。
テスト結果は、新しい製法が、銀ナノキューブを使う以前の方法の能力と一致し、さらにそれを上回ることを示していた。また、これらの多様な形状や金属を利用することで用いることができる周波数域を拡張することもできる。研究によって明らかになったことは、これらのバリエーションは、ナノ粒子がその表面でエネルギーを捉える箇所を変えることである。ナノ粒子を覆うことでデバイス全体の根本的な耐候性というオマケとともに、新しい技術は、その技術を化学反応あるいは熱検出器に拡大する可能性を拡大する。
とは言え、Mikkelsenの最優先は、その製造技術は750万ドルのDODプロジェクトに適用して「スーパーカメラ」を作ることである。これは、偏光、深度、位相、コヒレンス、入射角など幅広い光の特性を捉え、処理できる。
「実際に重要なことは、大きなマクロエリアが、非常に安価なメタサーフェスでカバーできること。これは、われわれが完全にリソグラフィフリー製造技術を利用するからである。つまり、メタサーフェスは、他の既存技術と組合せることができ、新しいプラズモニックメタサーフェスアプリケーションのインスピレーションを生み出す」とMikkelsenはコメントしている。
(詳細は、https://pratt.duke.edu)