3Dプリントされた薬剤市場規模､2030年に2億6974万ドル

July, 12, 2022, San Francisco--Grand View Researchの調査によると､世界の3Dプリントされた薬市場は､2022-2030年にCAGR 15.32%で成長して2030年に2億6974万ドルに達する見込である｡
　慢性疾患の有病率の上昇が､世界中で嚥下障害を持つ患者数の増加と相俟って､即時溶解薬の需要を押し上げており､これが市場の成長を刺激しそうである｡例えば､2022年4月発表の調査よると､口腔咽頭嚥下障害の有病率が､脳卒中や老齢化などの条件で高く､高齢者の26.19%になっている｡

高齢化人口の増加が､高齢者に飲みやすい薬剤の開発需要促進につながっている｡3Dプリントされた高溶解性で飲みやすい薬は､嚥下障害の高齢者にとって有用である｡さらに､国連によると､2050年には､65歳以上の人々の数が､15億人に達する見込である｡したがって､世界中で高齢人口の増加が､飲みやすい薬剤の需要を促進し､結果的に市場の成長につながる｡

製薬会社向けの需要急拡大､ヘルスケアにおける技術進歩､政府の3Dプリンティング産業重視と支出が､市場の成長に寄与している｡

COVID-19パンデミックは､市場の成長にプラスの影響を与えると見られている｡先端製造業で操業している企業により複数のプリンタが発売され､医薬品や他の必要な製品の製造増加に役立っている｡結果として､これらの技術の利用が､COVID-19パンデミック中に増加すると予測されている｡

3Dプリントされた薬剤市場レポートのハイライト
・技術では、ジップ服用量セグメントが3D市場で最大シェアだった。これは、口内で素早く拡散する迅速溶解性薬剤需要の増加によるものである。これが、今度は採用増となり、市場に成長が見込める。
・インクジェットプリンタセグメントが、予測期間に成長して利益を生むと見られている。3D薬剤が､個々の患者にニーズに対して個人化され,バッチ製造薬よりも遙かに多くのニーズを支援するので､今後数年で需要は激増する見込である｡
･アプリケーションでは､神経学セグメントが世界市場で大きなシェアだった｡これは､老齢人口の比率が増えたためである｡高齢者は､神経疾患を発症するリスクが高く､したがって､市場の成長につながる｡
･エンドユースでは､2021年､病院&クリニックセグメントが､大きなシェアだった｡個人化医療の需要増､この技術を利用するコスト効果の優れたバイオ薬剤の利用増によるものである｡
･北米が､2021年世界市場で優勢だった｡技術的に進んだヘルスケアフレームワークの利用､高いR&D投資､同地域における3Dプリントされた薬剤が開発されているからである｡
･APACは､将来的に大きく成長する見込である｡慢性病の有病率増加､主要プレイヤが存在するからである｡
(詳細は､https://www.grandviewresearch.com/)