July, 7, 2022, Anhui--中国の研究チームは、漏れた(リーク)ガス雲の3D画像を作る方法を開発した。これは、リークの場所、量、濃度などについて詳細な情報を提供する。新しい自動検出アプローチを使って、早期警戒を発し、リスクを評価、リーク修理に最善の方法を決めることができる。
「社会の急発展により、世界中に毒性、可燃性、爆発性化学物質が貯蔵されている大型施設が存在する。これらファシリティの一つからリークがあれば、その成分、濃度、位置および分布を迅速に把握することが重要である」と中国科学院安徽光学精密機械研究所のLiang Xuは指摘している。
研究チームは、新しい方法をOptics Expressで説明している。それは、2つの遠隔フーリエ変換分光法(FTIR)イメージングシステムからの情報と、GPSやジャイロスコープセンサからの正確な位置情報を統合して、Google Earthデジタルマップ上にガス雲の3D画像の重ね合わせを作る。
「以前は、リークが起こった時、ガスが動く特定の位置と方向は判断できなかった。ガス雲の3D再構成を作るわれわれの方法を使うと、リークガスの正確な高度や緯度を正確に見つけられる。この情報は、誰がガスに晒されるかを判定し、素早くリークを止めるために重要である。大気中へのガスの放出を少なくするためである」と論文の筆頭著者、Yunyou Huは説明している。
第3次元の付加
FTIR分光法は、ガス状汚染物質のリモート定量検出で広く使われている。それが高感度、高分解能であり、約5kmの検出範囲でリアルタイム計測できるからである。しかし、一台のFTIRリモートセンシングイメージングシステムは、ガスリークについて2D情報しか提供しない。
3D画像を得るために研究チームは二台のシステムを使って、多様な視点からのガス雲の2D計測を得た。この情報は、次に、GPSとジャイロスコープセンサを使って得た位置情報で空間的に記録された。データをCTイメージングアルゴリズム、いわゆる同時代数的再構成法(SART)に入れて、ガス雲の3D再構成を作る。
「3D再構成されたガス雲の各ボクセル、つまり3Dピクセルは、ガスの緯度、経度、濃度、地上からの高さについての3D情報を含んでいる。GPSとジャイロスコープセンサを使ってモニタされた空間の正確な位置は、ガス雲の3D定量的再構成を可能にするためにの決め手だった」(Hu)
ガスリークを捉える
研究チームは、その方法を屋外環境でテストした。そこでは、2台のスキャニングFTIRリモートセンシングイメージングシステムを使って、約315立方メートルの空間に2分間放出した少量の六フッ化硫黄とメタンのリモートモニタを行った。チームは、両方のガスを経度、緯度、高度および濃度分布でガス雲の3D再現生成に成功した。
「われわれの技術を実世界シナリオに適用するためには2またはそれ以上のスキャニングFTIRイメージングシステムをモニタするエリアに導入する必要がある。クロススキャニングネットワークを形成するためである。提案した方法を使って、リークガス雲の3D再構成を行う、次にリーク源を見つけ、早期警戒情報を提供することができる」(Hu)。
研究チームは現在、再構成の最適化に取り組んでおり、実際の産業環境でそのシステムをテストする計画である。