July, 7, 2022, Glasgow--UKグラスゴー大学の研究者は、ゴーストイメージングとして知られるコンピュータイメージング技術がヒトの視覚と統合されて、ヒトが直接見ることができない物体をイメージングできることを示した。新研究は、ヒトのインテリジェンスと人工知能(AI)の統合への前進を表している。
グラスゴー大学、物理学&天文学部、量子技術教授、Daniele Faccioは、「この研究は、いずれヒトとAIの統合に利用されるアイデアを提供する。この研究の次のステップは、3D奥行き情報を提供する能力の拡大から、複数の観察者からの複数の情報を同時に統合する方法の探求までの範囲である」と説明している。
研究成果は、Optica (formerly OSA) Imaging and Applied Optics Congress(7月11-15)で発表される。
ゴーストイメージングは、物体と相互作用する投影光パタンと相互作用しない参照パタンとを関連付けることで物体の画像を形成する。研究者は、以前は、受動的にヒトの視覚を利用してゴーストイメージングを実行していたが、新しい研究はヒトの視覚系を能動的役割で利用する。つまり、カメラの代わりにヒトに光パタンを見させるのである。脳の視覚的反応が記録され、フィードバックとしてアルゴリズムに利用される。アルゴリズムは、投影された光パタンの再形成方法を決め、最終的画像を再構成する。
「これは、リアルタイムでイメージングプロセスを調整するニューロフィードバックループで人間の視覚系を使って行われたコンピュテーショナルイメージングの初めてのものの一つである。壁からの拡散信号検出にヒトの脳の代わりに標準ディテクタを使うこともできたが、われわれは、いずれヒトの能力拡張に使用される方法を探求したかった」とFaccioはコメントしている。
実験セットアップは、プロジェクタを使って段ボールカットアウト上に、イメージングされる物体として機能する光パタンを作った。透過光が、黒い壁で隠された第2の白色壁に拡散された。つまり、観察者は、第2の白色壁から反射される拡散光しか見ることができない。各光パタンは、2秒間、6Hzで点滅され、観察者の視覚野に信号を作り、これが単一電極脳波(EEG)ヘッドセットで検出された。
研究チームは、EEG信号を使って物体から伝達され、白い壁から拡散される光強度を推定した、画像再構成に利用されるニューロフィードバックループに送り込まれた情報を推定し。EEG信号が、ある閾値以下になると、チームは光パタンが物体と重ならず、したがって、システムによって自動的にリアルタイムで除去され、つまり切り取られると結論づけた。
研究者は、その技術が、観察者には見えない単純な物体の16×16ピクセル画像の再構成に成功したことを示した。プロセスを作り上げることは、画像再構成に必要な観察時間を約1分に短縮するのに役立つことも実証した。