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偏光利用世界初の超高速フォトニックコンピューティングプロセッサ

June, 24, 2022, Oxford--新しい研究は多重偏光チャネルを使って並列処理を実行する。従来の電子チップに対して計算密度は数桁の強化となる。

Science Advancesに発表された論文でオクスフォード大学研究者は、偏光を利用して情報蓄積密度とナノワイヤを使う計算性能を最大化する方法の開発を報告している。

論文の筆頭著者、DPhil学生、材料学部のJune Sang Leeは「エレクトロニクスに対するフォトニクスの利点は、光が高速であり、大きな帯域で機能することは、われわれ皆が知っている。したがってわれわれの目標は、チューナブル材料と組み合わせてフォトニクスのそのような利点を十分に利用して、より高速、高密度の情報処理を実現することだった」とコメントしている。

University of ExeterのC David Wright教授と協力して研究チームは、HAD (ハイブリッドアクティブ誘電体)ナノワイヤを開発した。ここではハイブリッドガラス状材料を利用している。これは光パルス照射で材料特性が変えられることを示している。各ナノワイヤは、特定の偏光方向に選択的反応を示すので、情報は、様々な方向でマルチ偏光を利用して同時処理できる。

このコンセプトを使い、研究者は光の偏光を利用する初のフォトニックコンピューティングプロセッサを開発した。

フォトニックコンピューティングは、多数の偏光チャネルで実行されるので従来の電子チップ密度と比較して数桁の計算密度強化となる。これらのナノワイヤが、ナノ秒光パルスで変調されるので、計算速度は速くなる。

1958年、初の集積回路発明以来、より多くのトランジスタを電子チップの所与のサイズに押し込めることが、計算密度を最大化する頼れる手段だった。いわゆる「ムーアの法則」である。しかし、AIやMLは特殊なハードウエアを必要としており、これが確立されたコンピューティングの境界を押し広げ始めている。電子工学のこの領域の主要な問題は、「より多くの機能をシングルトランジスタにいかにして詰め込むか」だった。

10年以上にわたり、オクスフォード大学材料学部、Harish Bhaskaran教授の研究室の研究者は、計算手段として光を使うことに注目してきた。

Bhaskaran教授は、「これは、われわれが将来、見たいと思っていることの始まりに過ぎない。光から得られる全ての自由度の活用である。情報処理を劇的に並列化する偏光が含まれる。当然、初期段階の研究であるが、エレクトロニクス、非線形材料とコンピューティングを統合する超素晴らしいアイデアである」と話している。
(詳細は、https://www.ox.ac.uk/)