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SEAS、多孔性メタマテリアル、未開拓次元

June, 15, 2022, Cambridge--多孔質メタマテリアルと言うと、それをスライスする方法が全てである。

Harvard SEASとHarvard Graduate School of Design (GSD)の新しい論文で、研究者は、45°の角度で周期的穴配列でエラストマブロックをスライスすることで、材料の挙動が変わることを見いだした。これは、一般的な90°ストレートカットではない。このようなスライスにより、新しい特性が現れ、長年研究されてきたこの材料グループに新たな範囲のアプリケーションが開ける。

「多孔質メタマテリアルは、長年、徹底的に研究され、十分に理解されていたが、まだ探求すべき新しい道があることをわれわれは確認した」とKatia Bertoldiは、コメントしている。同氏は、論文のシニアオーサ、SEAS応用機械学William and Ami Kuan Danoff教授。
 研究成果は、Extreme Mechanics Lettersに発表された。

以前の研究は、Bertoldi Labで実施されたものも含めて、穴あるいはチャネルの正方形配列を持つ多孔性メタマテリアルを圧縮すると、穴を分離しているビーム状のリガメントが崩れ、円形の穴が楕円に突然変形する。この可逆的形態変化を利用して独特の機械的特性を持つ構造を構築できる。それらは、フォトニックまたフォトニックスイッチ、カラーディスプレイ、つかみ歩行できるソフトロボットとして利用できる。

それらの変形は歴史的に平面で研究されてきた。つまり、作動プロセス全体で、材料の表面はフラットなままであった。

しかし、単純にこの周期的形状をある角度でカットすることによって研究チームは、その材料で面外、あるいは3D変形を可能にする方法を考案した。その材料を45°でカットした後、チームは、材料の両サイドを薄い弾性膜で覆い、空気ポンプを取り付けた。材料から全ての空気が排出されると、穴を分離しているリガメントが外側に崩れ、材料表面にリッジが現れる。空気を中に戻すと、表面がフラットになってリッジが消える。

「これらの種類の形態変形は、このクラスの材料では、以前には研究されてない。だれも、この方法で、カットすることを思いつかなかったからである」(Matheus C. Fernandes)。

表面モルフォロジーにおけるこの変化を利用して、その材料と下層表面間の摩擦を変えることができる。実験でこの効果を実証するためにチームは、小さなアクリル球を多孔性ブロック表面に取り付けた。通常の空気圧では、その球は仮想表面に接触したままであり、そのブロックがランプを滑り落ちるときに車輪として機能した。空気を排出すると球は、材料に引きこまれた。より高い摩擦隆線(リッジ)が崩壊したからである。また、ブロックはそのままだった。チームは、反対スキームも実証した。ブロックが完全に膨らみ、空気が排出されるとブロックが表面を滑り落ちるようにしたときに摩擦が増えるスケートのようなフィンを取り付けた。

これら2つのセットアップを利用してチームは、蠕虫のようなロボットを作製した。これは、その身体の各セグメントと地面の間の摩擦を変えることで、前進する。

別の実験でチームは、反射ペイントでそのブロックを覆い、表面トポロジーが変わると、ブロック表面からの散乱光が変えられることを実証した。
 
「3次元におけるこの変化は、様々なアプリケーションに多くの可能性を開く。それは、光が反射される仕方、流体の流れ方、音が吸収され反射される仕方を変えることができる。歩行、ランニング中にスニーカー裏の牽引力の変更にも使える」と論文の共同主筆、GSDシニア研究助手、Saurabh Mhatreは説明している。

「この材料は、本質的に多機能であり、現実のデバイスやアプリケーションにさらなる適用が可能となる。これらの多様な挙動を達成するためにシステムに余分なコンポーネントを負荷する必要がないからである。したがって設計と製造プロセスを大幅に簡素化する」とSEASのシニアサイエンティスト、論文の共著者、James Weaverは、コメントしている。
(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)