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光コヒレンストモグラフィを次のレベルに進めたデューク研究者

June, 8, 2022, Reswood City--デューク大学の研究者は、強化版OCTを開発した。これは、以前よりも広い3D視野で、高コントラストと解像度でバイオメディカルサンプルをイメージングできる。新しい3D顕微鏡は、バイオメディカル研究に役立ち、最終的により正確な医療診断イメージングを可能にする。

Optica誌でデューク大学の研究者は、3D光コヒレンス屈折トモグラフィ(3D OCRT)という新技術を説明している。様々な生体サンプルを使用して、研究チームは、3D OCRTが、従来のOCTでは観察が困難な特徴を明らかにし、非常に詳細な画像を生成することを示している。

OCTは、造影剤やラベルなしで、光を使って高解像度画像を生成する。眼科アプリケーションで一般に使われているが、そのイメージング法は、身体の多くの他の部分のイメージングにも使える。例えば皮膚、耳、口、血管、消化管内部など」と論文の筆頭著者、Kevin C. Zhouは言う。「われわれは新しい拡張を開発した。新しいハードウエアの特徴は、新しい3D画像再建アルゴリズムを統合しており、イメージング技術のよく知られた制約に対処する」。

研究チーム、論文の共著者、Joseph A. Izattは、「このアプローチは、広範なバイオメディカルイメージングアプリケーションに適用できるとわれわれは考えている。人の眼、皮膚の生体深部イメージングなど。その技術を実行するためにわれわれが設計したハードウエアは、直ぐに小型化して、消化管や他の身体の部分にアクセスする小さなプローブ、内視鏡にすることができる」。

OCTは、臨床アプリケーションやバイオメディカル研究の両方で有用であるが、全方向同時に広い視野で高解像度OCT画像の取得は難しい。これは光ビーム伝播の課す根本的な制限である。もう1つの課題は、OCT画像が、スペクルと言われる高レベルのランダムノイズを含んでいること、これは生物医学的に重要な細部を分かりにくくする。

この限界に対処するために研究チームは、パラボリックミラーを組み込む光学設計を使用した。このタイプのミラーは、一般に非シメージングアプリケーション、フラッシュライトなどに見られる。そこでは、それはライトバブルを囲んで、光を1方向に向かわせる。チームは、光が他の方向へ送られるような光セットアップを採用した。サンプルは、フラッシュライトでは電球がある場所に設置されている。

この設計により、多重視点から、非常に広い視野角でサンプルをイメージングできるようになった。チームは、その視点を単一の高品質3D画像に統合し、歪、ノイズ、他の不完全性を補正する高度なアルゴリズムを開発した。

「Opticaに発表した研究は、ハードウエアとソフトウエアの両方で大きなエンジニアリング課題を克服することで以前の研究を拡張しており、これによりOCRTは、3Dで機能し、その適用性をさらに広げている。われわれのシステムは、数万GBのデータを生成するので、マシンラーニング界で最近成熟した最新の計算ツールに基づいた新しいアルゴリズムを開発する必要があった」と、研究チームの共同リーダー、Sina Farsiuは話している。

広い視野
研究チームは、それをゼブラフィッシュやミバエを含む様々な生体サンプルのイメージングに使用することで、その方法の多様性と幅広い適用性を実証した。これらの生物は、挙動、発達、神経生物学的研究にとって重要なモデル生物である。チームは、気管や食道のマウス組織サンプルを撮像し、医療診断イメージングの可能性を実証した。3D OCRTでチームは、サンプルを動かすことなく±75°まての3D視野を獲得した。

「ノイズアーチファクトを減らし、サンプル誘発の歪を補正するだけでなく、OCRTは、本質的に、従来のOCTでは見えにくい組織特性からコントラストを計算的に作成できる。。例えば、繊維状組織など配向構造に敏感であることをれわれは示している」(Zhou)。

研究チームは、現在、そのシステムを縮小し、ライブイメージング向けに高速化する方法を探求している。これは、最新開発の高速OCTシステム技術とデータ処理を高速に誌改善するディープラーニングの進歩を活用することで実現する。

(詳細は、“Computational 3D microscopy with optical coherence refraction tomography,” 9, 6, 593-601 (2022).
DOI: 10.1364/OPTICA.454860 )