May, 25, 2022, 金沢--金沢工業大学(金沢工大)と鹿島建設株式会社(鹿島)は、セメント系3Dプリンティングに関する共同研究を開始することに合意した。
今後は、金沢工大キャンパス内に設置した「KIT×KAJIMA 3D Printing Lab」を拠点とし、両者の知見を活かしながら、3Dプリンティングによる環境配慮型コンクリートを適用した構造物の具現化に向けて研究を進める。
共同研究の実施内容
3Dプリンティングに関する検討項目は、最適な材料の選定やロボットの制御のほか、補強材の設置を含めた構造計算や、解析によるシミュレーションなど、多岐にわたる。
これに対し、土木・建築・機械だけでなく、電気・情報・景観計画といった広い分野において多くの知見を持つ金沢工大と、土木・建築の設計・施工技術や、ロボットなどを活用した施工の機械化・自動化に関する知見を持つ鹿島は、両者の知見や技術を活かしてセメント系3Dプリンティングに関する共同研究を行うこととした。
さらに、3Dプリンティングに使用する材料として、鹿島らが開発した環境配慮型コンクリートCO2-SUICOMを適用する。CO2-SUICOMは、コンクリートの製造過程において大量のCO2を強制的に吸収・固定化させることによりCO2排出量をゼロ以下にできる世界初の技術。
これらの研究により、3Dプリンティングによる生産性向上に加えて、CO2-SUICOMによりカーボンネガティブを実現する画期的な施工技術の社会実装を目指す。
4月1日に、金沢工大の「やつかほリサーチキャンパス」内に「KIT×KAJIMA 3D Printing Lab」を設立。両者で独自開発したノズルを装着したスイスABB社製のロボットアーム式3Dプリンターを設置し、試験製造を開始する。
(詳細は、https://www.kanazawa-it.ac.jp)