May, 16, 2022, つくば--筑波大学研究グループは、測位に不要な反射波を排除する信号フィルタリング技術を有する、新しい水中超音波測位システム(水中版GPS)の開発に取り組み、水深や構造物の有無による影響を受けず、安定かつ精度良く計測できる、新しい超音波測位システムの開発に成功した。
このシステムは、水中作業用建設機械の遠隔操縦技術に活用できるだけでなく、水中ドローンを利活用したインフラ点検の効率化や沿岸パトロール業務、水産分野への応用など、水中IoTの実現に貢献することが期待される。
近年、建設作業の生産性と安全性を向上させるため、無人化施工技術の開発が進められている。特に自然環境の影響が厳しい水中では、建設機械を水上から遠隔操縦する技術の開発が進められており、その実現には、建設機械の位置情報を精度よく安定して把握することが不可欠。陸上や海上では電波を用いた全地球測位システム(Global positioning system; GPS)が活用できるが、水中では電波が届きにくいため、深海探査などで活用されている超音波による測位システムを応用している。しかし、浅海域や港湾部などでは、海面・海底・構造物などで超音波が多重反射しやすく、既存の水中超音波測位システムでは、安定した測位を実現することが困難だった。
(詳細は、https://www.tsukuba.ac.jp/)