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微小IRオプティクス作製にGlass-in-Glass製造アプローチ

April, 18, 2022, Lausanne--スイス連邦工科大学(EPFL)の研究チームは、赤外(IR)ガラスが別のガラスと組み合わされ、複雑な微小形状を形成する新しい製造プロセスを開発した。その技術を使って、IRイメージングとセンシングをより広い利用を可能にする複雑なIRオプティクスを作ることができる。

「IR波長を透過するガラスは、多くのアプリケーションで重要である。様々な材料や物質を特定するために使用される分光技術がこれに含まれる。しかし、IRガラスは、製造が難しく、脆く、湿気がある簡単に劣化する」とEPFL研究チームリーダー、Yves Bellouardは説明しているる

Optics Expressの論文でチームは、その新しい技術を説明している。耐久性のあるシリカマトリクス内に脆いIRガラスを埋め込むために使える技術である。そのプロセスを使って、ミクロン以下のものを計測できる機能を備えた、相互接続されたいかなる3D形状でも実質的に作ることができる。それは、広範なガラスで機能し、ガラスの微妙な組合せで3Dオプティクスを微調整する新しい方法を提供する。

「われわれの技術は、全く新しい領域の新規光デバイスに扉を開く。それを使ってIR光回路、任意形状のマイクロオプティクスを作ることができるからである。これらは、IRガラスの製造性が悪いために、以前にはできなかった。これらオプティクスは、例えば、分光学やセンシングプリケーションに使え、スマートフォンに組みこめるほどに小さなIRカメラを実現する」と論文の筆頭著者、Enrico Casamentiは話している。

材料の結合
新しい製造プロセスは、以前の研究から生まれた。Bellouardの研究チームは、EPFLのAndreas Mortenseのチームと協働して、絶縁3Dシリカ基板内に高伝導性金属を形成する方法を開発した。

「われわれのチームは、任意形状の3D光回路にブロードバンド光の閉込めを達成できる革新的な方法の研究を始めた。2つのタイプのガラスを組み合わせた構造を作るために利用できるように、金属を使ってわれわれが初めて実証したのは、われわれがプロセス変更の可能性探求を決めたときだった」(Bellouard)。

新しいアプローチでは、チームは、フェムト秒レーザアシスト化学エッチングを使って溶融ガラス基板内に任意形状の3Dキャビティを作ることから始める。これは、フェムト秒レーザのパルスビームを使い、露光エリアが、フッ化水素酸のような化学薬品で除去される仕方で、ガラス基板を変える

これかできると、複合構造を作るには微小キャビティは、別の材料で満たされなければならない。チームは、圧力アシスト鋳造の微小バージョンを使ってこれを行った。彫込みシリカキャビティ網の中で、第2の物質が溶融され、加圧される。それが流れ、固化するようにである。第2の材料は、融点が彫込みシリカ基板以下であり、シリカガラスと反応しないものなら、金属、ガラス、いかなる材料でもよい。

複雑なオプティクスの実現
「われわれの製法は、IRガラス保護に使えるので、他のガラス基板に完全集積されたミクロンスケールの光回路への新たな道を開く。溶融シリカやカルコゲナイドは、高屈折率コントラストを提供するので、われわれはこれらの材料をIR導波路に形成することができる。これは、光ファイバのように光を伝送できる」(Bellouard)。

チームは、カルコゲナイドIRガラスとシリカガラス基板を使い、EPFLロゴを含む様々な複雑形状を作ることでその新しい方法を実証した。ETH-Zurichのチームの協力で、作製した構造の一部が、8µmの量子カスケードレーザ(QCL)から発光する中赤外光の誘導に効果的に使えることをを示した。製造が難しいために、このスペクトル範囲で利用できる光コンポーネントはほとんどない。

研究チームは、様々なガラスの統合に関して新しいプロセス機能の研究を続けており、分光学や他のアプリケーションでその化合物をテストする計画である。