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東芝グループと韓国KT、量子暗号通信の実証プロジェクトを共同実施

April, 4, 2022, 東京--株式会社東芝(東芝)、東芝デジタルソリューションズ株式会社とKTは、量子暗号通信の実証実験に関する二つのプロジェクトを実施する。

 東芝グループは、20年以上にわたり量子暗号通信技術の研究・開発をしており、世界1位の関連特許数を有している。また、量子暗号通信の事業化に向け、日本をはじめ米国や欧州などグローバルに量子暗号通信技術の実証実験を重ねている。KTは、韓国国内の中小企業へ量子技術を移転することで、韓国の量子暗号通信のエコシステムの構築を推進している。グローバル量子暗号通信ネットワークの国際標準承認取得数で世界1位の実績があり、ドローン通信、自律走行車やデータセンターなどへの応用に向けて次世代量子暗号通信サービスの創出をリードしてきた。

 一つ目のプロジェクトでは、韓国ソウル特別市と釜山市間の約490kmにおいて、異機種の量子暗号通信システムをつないだ長距離ハイブリッド量子暗号通信ネットワークにおけるサービス品質測定を行う。このプロジェクトのネットワークは、これまで韓国国内で行われた量子暗号通信ネットワークの実証実験では最長で、韓国全土にわたって関連サービスの提供が可能になるレベル。このネットワークは、KTが技術移転したコーウィーバー、ウリネット、アリアン製の量子暗号通信システムと、東芝デジタルソリューションズの量子暗号通信システムおよび量子鍵管理システム(Key Management System: KMS)を用いて構築されている。
 今回の量子暗号ネットワークのサービス品質評価に適用される評価基準は、KTが独自に開発・提案し、2022年2月に国連の専門機関であるITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector:国際電気通信連合電気通信標準化部門)から世界で初めて国際標準の承認を受けたものである。異種機器で構成するハイブリッド量子暗号通信ネットワークにおいて、この評価基準で用いるパラメータに基づきサービス品質測定を実施するのは世界で初めてとなる。今回の品質測定は3月28日から4月15日まで3週間にわたり行う予定。

 二つ目のプロジェクトは、韓国内外の量子産業エコシステムの拡張を目指す、オープンな量子暗号通信サービス(QKD-as-a-Service: QKDaaS)のテストベッドの構築。ソウル特別市と大田市間において、2022年夏から約2年にわたりオープンに運用し、量子技術の評価を行うとともに、量子暗号通信を活用した次世代サービスの開発支援を目的にさまざまな企業に開放する。KTと東芝グループは、そこで得た知見とユーザーフィードバックをもとにQKDaaSの改良を検討していく。

 また、ITU-TでSG13 WP1の議長を務めるKTと、ETSI(欧州電気通信標準化機構)でQKD ISG(Industry Specification Group)の議長を務める東芝グループは、QKD技術の国際標準化活動においても協力していく。さらに、KTと東芝グループはこれまで両社が行ってきたパイロットサービスの経験を共有し、次世代の量子暗号通信サービスやビジネスモデルの開発においても協力していく。
(詳細は、https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2022/0328.html)