March, 31, 2022, Hannover--LZHは、新しいSpatial ALDシステムで、複雑形状オプティクスを均一にコーティングできる。その革新的なシステムは、以前に可能だったよりも高い蒸着速度を達成しており、中でも自動車照明あるいはVR/AR分野のアプリケーションで関心が高い。
ALD(原子層蒸着)技術は、極薄、高品質コーティングを実現できる。これまで、ALDプロセスは、例えば半導体産業で薄い機能層作製に主に使用されていた。LZHの新しいSpatial ALDシステムは、Beneqとの共同開発であり、今では、産業で採算が取れる高需要の別のアプリケーションとなっている。LZHのOptics Integrationグループの研究者は、それを使って、例えば強く湾曲した、構造化オプティクスに、以前よりも遙かに高速に均一な厚さの積層を実現している。以前使用されていた方式、電子ビーム蒸着、イオンビームスパッタリングなどは、この点では、非常に限定されている。
現在の利用例、湾曲ディスプレイ、光学部材
Spatial ALDシステムは、オプティクス向け超薄コーティングシステム製造で高蒸着速度を達成しており、複雑形状面の均一コーティングを可能にする。これは、例えば、自動車照明、AR/VR分野、3D形状の照明部材が必須である分野では、関心が高い。システムはプラズマベースであるので、100℃以下の低温で動作可能であり、ディスプレイでよく使われているコーティング温度に敏感なポリマオプティクスには、特に適している。
回転原理が高蒸着速度を可能にする
システムは、フィンランドのALD技術リーダー、Beneq社とLZHが共同開発した。ALDプロセスは、ガス状前駆体と基板表面との間の自己制限化学反応に基づいている。現在一般に使用されているシステムでは、プロセス反応は、順々に実行され、反応チャンバー全体の時間のかかるガス交換を必要とする。これは、LZHのSpatial ALDシステムでは異なる。ここでは、プロセスサイクルは、空間的に分離されて起こる。システムは、圧力と窒素で分離された4つの個別プロセスチャンバーを持ち、各々で、ALD反応ステップが完結する。基板は、回転して次のチャンバーに入る。こうして、研究チームは、以前には他のコーティングプロセスでのみ可能だった蒸着速度を達成した。これにより、プロセスは、特に経済的になり、同時に光学コーティングで高いスループットを可能にしている。
(詳細は、https://www.lzh.de)