March, 10, 2022, Linköping--リンショーピング大学(Linköping University)の研究者は、電位印可でON/OFFでき、徐々に調整できる光ナノアンテナを開発した。Advance4 Materialsに発表された研究は、ダイナミックフラットメタオプティクスやチューナブルスマートマテリアルを含むアプリケーションを開く。
すでに中世に、貴金属のナノ構造はガラスに埋め込まれて美しい色を出していた。当時は知られていなかったが、ある周波数で光がプラズモンに変わるので色が顕れる、これは金属ナノ粒子における集団電気振動である。ナノ粒子は、光のアンテナとして機能するので、極めて多様である。例えば、プラズモンナノアンテナは現在、エネルギー変換や光触媒からバイオセンシングやフラットメタオプティクスまでのアプリケーションで研究されている。
しかし、主要な限界は、金や銀などの従来の金属からできた光ナノアンテナの特性が固定されており、製造後に調整できないことである。このため、それらの用途はデバイスの静的機能に限られる。動的チューナブルナノアンテナの実現を念頭に研究チームは、前後に変化させられる光学特性の材料の研究を始めた。理想的なケースは、光学的に金属と誘電体の間でどこまでも繰り返し切替えできる材料である。
チューナブルアンテナ
研究チームは、導電性ポリマからできたそのような動的にチューナブルなプラズモンナノアンテナを実証した。これは、近赤外波長域で金属と誘電体特性の間でスイッチできる。
「ポリマは、伝統的に非導電性プラスチックとして知られているが、導電性ポリマは電気を通すだけでなく、ポリマのレドックス状態により、その電気導電性の変調もできる。われわれは、新しいタイプの動的有機ナノオプティクスでこの挙動を研究している」と研究グループのリーダー、Manus Jonsson教授は説明している。
プラズモンの特性
以前にNature Nanotechnologyに発表した論文では、同じ研究チームが、プラズモン特性を得るようにある導電性ポリマを十分な導電性にできることを示した。ポリマ製ナノアンテナは、サンプルをガスや液体に晒すことで再度ON/OFFできた、つまりポリマのレドックス状態を変えたのである。新しい研究の重要な貢献の一つは、そのポリマプラズモンナノアンテナの電気制御を実証していることである。これは、より有用な実用的アプリケーションへの重要なステップである。
研究の主筆Dr. Akehheta Karkiは、「透明電極で導電性ポリマナノアンテナを作製し、イオン導電性ゲルでそれらをコーティングすることで、われわれは外部電位によりそのレドックス状態を制御できた。繰り返しON/OFFすることに加えて、われわれは、外部バイアス電位で制御することで、そのナノアンテナの段階的チューニング可能性を実証した」と話している。
メタオプティクスとスマートウインドウ
研究チームは、チューニングプロセスの根本的メカニズム理解向上のために、研究成果と光学的シミュレーションおよび計算とを比較している。結果からわかることは、ナノアンテナの電荷キャリアの密度と移動性の両方がチューニング中に変わり、プロセスが可逆的であると言うことである。
「導電性ポリマは、動的ナノオプティクスの興味深い新タイプの材料となる。金属と誘電体の特性が変わる可能性のためである。次に、フィールドで静的ナノオプティクスから動的ナノオプティクスへの移行は、多くの将来的アプリケーションにとって重要である。これには、操作可能なメタオプティクスや動的スマートウインドウが含まれる」とManus Jonssonは話している。