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世界最強最薄ターゲットによるレーザイオン加速

February, 22, 2022, 大阪--大阪大学大学院工学研究科の蔵満康浩教授(レーザー科学研究所兼任)らの研究グループは、量子科学技術研究開発機構(QST)の福田祐仁上席研究員、神戸大学の金崎真聡准教授、台湾国立中央大学のWei-Yen Woon教授との共同研究により、蔵満教授らが独自開発した両面が自由表面の大面積グラフェン(large-area suspended graphene: LSG)を世界最薄のターゲットとして用い、QST関西光科学研究所の光量子科学研究施設(J-KARENレーザー)を用いた高エネルギーイオン加速を初めて実現した。

これまで薄膜を用いたレーザイオン加速の理論では、レーザ照射するターゲットが薄いほど高効率の加速が起こると考えられていたが、ターゲットが薄いほど脆くなり、レーザパルスのノイズ成分によって、レーザパルスが到達する前にターゲットが破壊されるため実現困難だった。

今回、研究グループは、極薄膜領域ではダイヤモンドより強いといわれるグラフェンを世界最薄のターゲットに用いることにより高エネルギーイオン加速を実現した。これにより、粒子線がん治療やレーザ核融合などに用いられるコンパクトで効率の良いイオン加速器への応用、さらにレーザを用いた宇宙物理や核物理への応用が期待される。

研究成果は、Springer Nature社の国際誌「Scientific Reports」にに公開された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)