February, 3, 2022, Cambridge--Harvard SEASの研究者は、テラヘルツ周波数を電磁スペクトルの達成困難な領域から日常的アプリケーションへ持ち込む上で大きく前進した。新しい論文では、チームは、その種のテラヘルツレーザでは初めて、コンパクト、室温動作、0.25 – 1.3 THzで120の個別周波数を出力できることを証明している。これは、以前のテラヘルツ光源より遙かに広い範囲である。
Harvard-SEASのチームが、DEVCOM Army Research LabおよびDRS Daylight Solutionsと協力した研究は、APL Photonicsに発表されている。
応用物理学Robert L. Wallace 教授、SEAS電気工学Vinton Hayes Senior Research Fellow、 論文のシニア著者、Federico Capassoは、「これは、テラヘルツ放射を生成する飛躍的技術である」とコメントしている。「コンパクト、効率的、広いチューニング範囲、室温動作により、このレーザは、イメージング、セキュリティ、通信アプリケーションでテラヘルツギャップをブリッジする重要技術となる可能性がある」。
テラヘルツ周波数範囲は、マイクロ波と赤外光の間の電磁スペクトルであり、応用達成が難しかった。ほとんどのテラヘルツ光源が、大きくて非効率であるか、チューニング範囲が限られた捉えにくい周波数の生成が低温デバイスに依存するかのいずれかだからである。
2019年、Capasso Groupは、MIT、U.S. Armyと協力し、量子カスケード励起と亜酸化窒素分子レーザを組み合わせて、コンパクト、室温、広いチューニング範囲が可能なテラヘルツ周波数のプロトタイプを開発した。
新しい研究は、そのプロトタイプのチューニング範囲を3倍以上にした。他の進歩の中では、新しいレーザは、亜酸化窒素をフッ化メチル、光場と強く反応する分子で置き換えた。
SEAS院生、論文の筆頭著者、Arman Amirzhanは、「この化合物は、実によく赤外を吸収し、テラヘルツを放出する。非毒性のフッ化メチルを使用することでレーザの効率とチューニング範囲を広げた」とコメントしている。
米軍の光科学シニア技術者、論文の共著者、Henry Everittは、「フッ化メチルは、ほぼ50年、テラヘルツレーザとして使用されてきたが、大きなCO2レーザで励起して、わずかなレーザ周波数を生成するだけである。われわれが報告した2つのイノベーション、QCL励起のコンパクトなレーザキャビティを統合して、フッ化メチルが数100ラインでレーザ発振できるようになった」と説明している。
このレーザは、これまでに設計された中で最もコンパクトなTHzレーザの一つとなる可能性があり、研究者は、それをさらにコンパクトにすることを狙っている」とSEAS研究助手、チームの指導研究者、Paul Chevalierは話している。
「成熟した、コンパクトなQCLと分子レーザ利得媒体との組合せが、非常にロバストなTHzレーザプラットフォームとなった。アプリケーションの幅は、基礎研究からTHz分子検出、イメージング、THz通信、セキュリティまでと広い」と論文の共著者、DRS Daylight SolutionsのシニアVP、ジェネラルマネージャ、Timothy Dayは話している。
(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)