January, 28, 2022, Berkeley--実験室では、ロボットシステムは、反復作業を行い、激烈な化学薬品を取り扱うことで安全と効率を改善する。
ロボットが仕事に取りかかるには、エネルギーが必要である。一般には、電気あるいは電池。しかし、最も高度なロボットでさえ、燃料切れになる。長年、研究者は、電気入力なしで自律的、連続的に稼働するロボットを作ろうとしてきた。
今回、Nature Chemistryに報告されているように、バークリーラボとマサチューセッツ州立大学アマースト(UMASS AMHERST)の研究者が、「水中ウオーキング」液体ロボット、微小な潜水艦のようなロボットが、水に潜って貴重な化学物質を回収し、何度も何度も「陸揚げ」することを実証した。
その技術は、電力なしで連続的に動作する初の自己発電、水性ロボットである。それには、自動化学合成、あるい薬剤の送達システムとしての可能性がある。
客員化学者、UMASS AMHERSTポリマサイエンス・工学教授Tom Russellは、「物体の浮力を制御するために化学を利用して自律的に動作可能な水性ロボットシステムを設計する際に、われわれは障害を破壊した」とコメントしている。同氏は、バークリーラボの材料科学部門で液体の構造化プログラムに向けた適応型界面アセンブリ(Adaptive Interfacial Assemblies Towards Structuring Liquids)のリーダー。
同氏によると、その技術は、「リクイボット」と呼ばれるロボットデバイスファミリを著しく前進させる。以前の研究では、他の研究者が、自律的に作業を行うリクイボットを実証していたが、一瞬であった。また、リクイボットの中には連続的に作業を行うものがあったが、動作を続けるには電気を必要としている。それに対して、「われわれは電気エネルギーを供給する必要はない。われわれのリクイボットは、周辺媒体からパワー、つまり化学的に‘燃料’を獲得するからである」とRussellは説明している。
バークリーラボの材料科学部での一連の実験を通じて、Russellと論文の主筆、バークリーラボのポスドク研究者、現在、中国Hunan University教授、Ganhua Xieは、リクイボットに塩を「供給」すると、リクイボットは、周囲の水溶液よりも重くなり、高密度になることを確認した。
バークリーラボの分子ファウンドリで共同研究者、Paul AshbyとBrett Helmsによる追加実験は、リクイボットが化学物質を往復輸送する仕方を解明した。
リクイボットは、溶液よりも高濃度なので、直径がわずか2㎜の小さな開いた袋のように見え、選択された化学物質で満たされた溶液の中央に群がる。これが、酸素バブルを生成する動作を始動する。小さな風船のように、リクイボットを表面まで揚げる。
別の反応は、リクイボットを溶液の縁まで惹きつける。そこに、リクイボットは「到着」して荷を下ろす。
リクイボットは、時計の振り子のように行ったり来たりし、システム内の「燃料」がある限り、連続動作が可能である。
その配合により、リクイボットアレイは、様々なタスクを同時に実行できる。例えば、あるリクイボットは、環境に様々な種類のガスを検出できるが、他のものは特殊な種類の化学物質に反応する。その技術は、微小な化学サンプルを選別する自律的、連続的ロボットシステムを可能にする。用途は、臨床アプリケーション、創薬、薬剤合成アプリケーション。
RussellとXieは、もっと大きなシステム向けにその技術をスケールアップする方法を研究する予定である。また、それが固体表面で、どのうように機能するかをも研究する。
(詳細は、https://newscenter.lbl.gov)