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マトリックス支援レーザ脱離イオン化ToF質量分析計「MALDI-8030」発売

January, 26, 2022, 京都--島津製作所は、マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析計「MALDI-8030」を国内外で発売した。
 新製品は卓上型として世界最高級の分解能と感度を持つ「MALDI‐8020」(2017年10月発売)を負イオンにも対応させた装置。英子会社のKratos社が装置の開発・製造を手掛ける。

マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型(MALDI-TOF)の質量分析計は、四重極型と比べて、広い測定範囲と高い分解能を両立している点が特長。核酸やたんぱく、高分子の測定に強みがあり、その需要は製薬や化学分野を中心に拡大している。ただし、上位機種「AXIMA Assuarance」は装置高が2メートル近いため、設置場所が限られていた。「MALDI-8020」は小型化を図るとともにメンテナンス性を向上させて点検回数を減らし、ランニングコストを低減している。新製品「MALDI-8030」もこうした特長を引き継ぎ、負イオンに対応(ネガティブモード測定)することで核酸医薬や陰イオン性高分子の測定も容易にした。島津製作所は「MALDI-8030」というコンパクトでリーズナブルな価格のMALDI-TOF質量分析計をラインナップに加えることで、多様な分析用途に応えていく。

製品の特長
1. ネガティブモード測定に対応
MALDI-TOF型質量分析計は合成ペプチドなどの高分子から、農薬や代謝物などの低分子まで広く測定できる。負イオン測定機能を加えたことで、「MALDI‐8030」はより広範な測定に利用可能。

2. 卓上型として世界最高級の性能
装置高が約1メートルというコンパクトさで、世界的に需要が伸びている卓上型。「MALDI‐8020」と同様に、設置面積は従来比25%減、重量は同74%減に抑えられ、実験台にも載せられる。両製品ともに分解能と感度は卓上型として世界最高級である。

3. 測定時間短縮&低ランニングコストを実現
従来機種の50Hzから200Hzへというレーザ高速化や排気システムの改良による真空待機の短時間化、さらには試料ステージの高速化によって測定時間を3分の1以下に短縮。カートリッジ方式のイオン引出光学系や固体レーザを新たに採用、真空システムのポンプ数削減などにより、ランニングコストを従来比30%以下に削減した。また、100ボルト電源が使用可能なため、電源追加の設備工事は不要。
(詳細は、https://www.shimadzu.co.jp)