December, 27, 2021, Jena--カールスルーエ工科大学 (KIT) とフリードリッヒ・シラー大学イェーナ(Friedrich Schiller University of Jena)の研究者は、光を散乱させるディスク、ディフューザをシリコンナノ粒子ベースで開発することに成功した。
それを使って特に、光の方向、色、偏光を制御することができる。この新技術は、透明スクリーンあるいは拡張現実(AR)で使える。研究成果は、Advanced Materialsに発表された。
フォトニクスの課題は、従来の光学素子、レンズ、ミラー、プリズム、ディフューザなどを微小化し、ナノフォトニクスの世界でのみ利用できる機能で性能を強化することである。これは、新しいアプリケーションにつながる。自動運転車の微小化されたセンサ、集積フォトニック量子コンピュータなどである。
ディフューザは、あらゆる方向からの入射光を小さな散乱センターの助けを借りて散乱させるディスクである。従来の光ディフューザの大きなサイズを克服するために、研究チームは、特別設計のシリコンナノ粒子を基板に適用し、慎重に計画された方法で、無秩序な粒子を配列した。これらナノ粒子は、ヒトの髪の毛よりも100倍細く、一定の、調整可能な光波長と相互作用する。光の方向、色、偏光は、これらメタサーフェスにより特別に制御可能である。
完全なディフューザの「スイートスポット」
研究チームは、2つの基本的な問題に直面した。「光ディフューザをどの程度小さくできるか、ナノ粒子の整列の無秩序はどうあるべきか」と、研究の主筆の一人、KIT博士課程研究者、Aso Rahimzadeganは言う。「われわれは、メタサーフェスディフューザを作製した。これは、裸眼で見ると、全方向から等しく明るく見える。注目すべき点は、これが、0.2µm厚だけで起こることである。そのディフューザは、特定の光を散乱させ、他の波長は妨げることなく通す」。そのような特性は、科学アプリケーションだけでなくコンシューマデバイスでも有用である。例えば透明スクリーンは、両側から見ることができる。ホログラフィックプロジェクタ、あるいはARヘッドセットは、それから恩恵を受ける。両方のパートナーの実験的、理論的専門技術を統合して、これら難しい科学的問題に答えることができた。
(詳細は、https://www.kit.edu)