December, 27, 2021, Jena--1本のMMFでほぼビデオレートの3Dイメージングを可能にする内視鏡が開発された。将来、その技術は、産業検査から環境モニタリングまで、あらゆるものに使用でき、医療イメージングを変革する可能性がある。
同システムを開発したのは、グラスゴー大学のオプティクスグループをリーダーとする国際チーム。そのホログラフィック内視鏡技術は、10年かけてTomáš Čižmár教授が開発した。それは、ライプニッツフォトニック研究所、ファイバ研究・技術の最も優れた活動の一つである。研究成果は、Scienceに発表された。
「われわれのマイクロ内視鏡と、グラスゴーの研究者が研究しているToF法とを統合することで、われわれはこれを実現した」とTomáš Čižmárは、国際研究チームの成果を紹介している。
「光が光ファイバを伝搬するとき、それは同じ形状で他端に出てこない。完全にスクランブルしているので、ファイバそのものを通して画像を伝送できない。われわれは、ファイバ端に光のシングルポイントが現れるように入射レーザ光を構造化する方法を開発した。これを使ってシーンをスキャンし、ピクセル毎に記録して、各点が光強度を計測する。この情報は、次にコンピュータにアセンブリされ、2D画像を作る」(Tomáš Čižmár)。
グラスゴー研究者が、2D反射画像に加えて、深度情報を得るためにToF技術でマイクロ内視鏡を完成させた。その技術は、シーンから反射されるレーザパルスの往復時間を計測することで深さを決める。「パルスレーザを使うことで、伝搬する光が計測され、それが画像の各ピクセルの距離を表す。この精密ToF計測技術によりシステムは、完全な3D点群を作る、LiDARと同じである」とLeibniz IPHTのHolographic Endoscopyグループ、Dr. Sergey Turtaevは説明している。
3D画像は、ミリメートルスケールの解像度で取得され、ほぼビデオ品質で動きを感知できる高いフレームレートが可能である。研究チームは、約40㎝長、コア径50µmのファイバ端の前、数メートルの位置の動く物体をフレームレート約5Hzでイメージングすることができる。
現在、そのMMFはキャリブレーション後、位置固定としなければならない。次のステップでは、チームは、キャリブレーション時間を短縮して、そのファイバ内視鏡を動かし、曲げ、捻ることができる方法に注目している。
「現在、われわれは、ファイバの柔軟性を維持し、利用する方法を研究している。その技術が十分に開発されると、様々なアプリケーションで利用可能になる。自動運転車、安全応用、最終的には医療で使える」とTomáš Čižmárは、展望を語っている。
(詳細は、https://www.leibniz-ipht.de)