November, 24, 2021, Camberra--RMIT大学研究者は、これまでで最も複雑なバイオメディカル構造を作製できるように従来の3Dプリンティングを反転させた。これは骨や組織の新しい再生技術の開発を前進させることになる。
組織工学の新興分野は、人体の自己治癒自然力を利用し、腫瘍や怪我で失われた骨や筋肉の再構築を狙っている。
医用生体エンジニアの最重要点は、細胞の再成長をサポートするために身体に移植できる3Dプリントされたスカフォールドの設計と開発であった。
しかし、これらの構造を細胞が育つように小さく、複雑にすることは、大きな課題のままである。
RMIT大学主導研究チームは、St Vincentメルボルン病院の臨床医と協力し、従来の3Dプリンティングアプローチをひっくり返した。
バイオスカフォールドを直接作る代わりに、チームは、複雑なパタンの空洞を備えたモールドを3Dプリントし、次に、モールドを溶かして除去する前に、それに生体適合材料を満たした。
間接的なアプローチを利用することでチームは、精巧な構造で満たされた爪の先サイズのバイオスカフォールドを開発した。これは、これまで、標準的な3Dプリンタでは不可能と考えられていた。
主任研究者、Dr Cathal O’Connellによると、その新しいバイオファブリケーション法は、広範に利用できる技術に依存しているので、コスト効果が優れており、簡単に拡張できる。
「標準3Dプリンタで造れる形状は、プリンティングノズルのサイズで制約されている、開口部は材料を通せるほどの大きさが必要であり、最終的にそれがプリントできるサイズに影響する」とRMIT Vice-Chancellorのポスドクフェロー、O’Connellは説明している。
「しかし、プリントされる材料間のギャップはかなり小さく、遙かに複雑にできる。
われわれの考えを反転させることで基本的に、われわれの3Dプリントされたモールド内部の空洞にわれわれが望む構造を設計する。これによりわれわれは、細胞が育つような微小で複雑な微小構造を作れる」。
多様な技術
O’Connellによると、他のアプローチで素晴らしい構造を造れたが、精密調整された材料を用いた場合であり、特定の積層で調整または特殊な化学的性質で改善された場合であった。
「重要な点は,われわれの技術が市販の医療グレード材料を使えるほどに融通が聞くことである」。
研究は、Advanced Materials Technologiesに発表された。研究は、St Vincent’s Hospital Melbourneにある最先端のバイオエンジニアリング研究、教育、訓練ハブ、BioFab3D@ACMDで実施された。
「医者が直面している共通の問題は、医者が日々、直面する問題の技術実験的ソリューションにアクセスできないことである」
医者は、問題を認識し、潜在的なソリューションについて考えるベストの専門家であるが、バイオエンジニアは、そのアイデアを現実にすることができる。
エンジニアリングと医療の共通言語の話し方の学習は最初の障壁であるが、これが克服されると可能性は無限である」
Di Bellaによると、外科医のような医者は、身体の問題を「解決」するために自分の手先の熟練、技術的ツールを適用することに慣れている。
「バイオエンジニアリング技術は、医者が利用できるオプションの兵器庫を著しく増やすことができ、以前には決して解決できなかった問題への対処能力を提供し、個人化、患者に特化したソリューションを提供できる。
これは医療の大きな前進であり、患者も医者もともに歓迎することである」。
将来の治療のツールキット
現在、病気や怪我で骨または組織の大きな部分を失った人の治療選択肢はほとんどない、切断するか、ギャップを埋めるために金属インプラントをするかが一般的な結果である。
世界中で組織工学の数少ない治験が実施されているが、3D生体組織工学技術が外科医のツールキットの標準部分となるには、まだ、主要な生体工学の課題に対処する必要がある。
整形外科では、主なこだわりは、骨と軟骨の両方で機能するバイオスカフォールドの開発である。
「われわれの新しい方法は,非常に精密であるので、特殊な骨と軟骨が成長するマイクロ構造を1つのバイオスカフォールドに作る」(O’Connell)。
「外科的理想である、両タイプの細胞をサポートできるスカフォールドを組込み、身体の機能方法を上手く置き換える」
ヒトの細胞でのテストは、新方法を利用して構築したバイオスカフォールドが安全で、非毒性であることを示していた。
研究の次のステップは、細胞再生を最適化するための設計のテスト、生体適合材料の様々な組合せの細胞再生への影響の研究である。
着実な、生体スカフォールドのリバースプリント法
新しい方法は、Negative Embodied Sacrificial Template 3D (NEST3D)と名付けられており、これは3DプリントされたモールドのベースにシンプルなPVA接着剤を利用する。
生体適合材料がそのモールドに注入されて固まると、構造全体を水中に入れて接着剤を溶かし、細胞を育成するバイオスカフォールドだけが残る。
論文の筆頭著者、Stephanie Doyleによると,その方法により研究者は、細胞の成長に最も効果的なものを特定するために材料の組合せを素早くテストかることができる。
「われわれの先進的射出成形技術の利点は、その多様性にある」(Doyle)。
「われわれは、幅広い材料で、生物分解ポリマから、ヒドロゲル、シリコーン、セラミックまで、数十の試行的バイオスカフォールドを製造できる。厳密な最適化、特別な装置は不要である」
「われわれは、わずか200µm径、4µm幅の3D構造を製造できる。また、複雑さは、光ベース製造技術で達成可能なものに匹敵する。
バイオファブリケーションと組織工学研究を大きく促進する」。
(詳細は、https://www.rmit.edu.au)