November, 19, 2021, 東京--東京大学大学院工学系研究科の武田俊太郎助教(当時)らは、2017年9月、どれほど大規模な計算も最小規模の光回路で効率良く実行できる「究極の大規模光量子コンピュータ」方式を考案した。今回、同大学院工学系研究科の武田俊太郎准教授と榎本雄太郎助教らの研究チームは、「究極の大規模光量子コンピュータ」方式の心臓部となる計算回路である独自の光量子プロセッサの開発に成功した。
また、その光量子プロセッサが、回路構成の変更なしに、情報を乗せた1個の光パルスに様々な種類の計算を複数ステップ実行できることを示した。従来の光量子コンピュータの計算回路は、計算の種類の変更に回路の変更が必要となる汎用性の乏しいものであり、また複数ステップの計算には回路が複数個必要なため拡張性にも難があった。今回、これらの欠点を克服した万能な光量子プロセッサが実現し、その応用性の高さから、日本発のアイデアである「究極の大規模光量子コンピュータ」方式への応用展開はもちろん、量子通信・量子センシング・量子イメージングなど多彩な光量子技術の実現を加速させるものと期待される。
(詳細は、Science Advances:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj6624)