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光量子コンピューティングのナゾからミッシングピース発見

November, 12, 2021, St. Louis--ワシントン大学セントルイスのMcKelvey School of Engineeringの研究は、光量子コンピューティングのナゾにおける失われたピースを見つけ出した。

Preston M. Green電気&システム工学部准教授、Jung-Tsung Shenは、光の新しい形態を活用する、決定論的、高忠実度2ビット量子論理ゲートを開発した。この新しい論理ゲートは、現在の技術よりも数桁効率的である。
 同氏によると、「理想的な場合、忠実度は97%になる」。
 研究成果は、Physical Review Aに発表された。

量子コンピュータの可能性は、普通ではない重ね合わせの特性につながっている。多くの全く異なる特性、状態を同時に含む量子システムの能力、つまりエンタングルメントであり、2つの粒子が、物理的に互いに離れているにもかかわらず、非古典的な仕方で関連付けられている。

古典的なコンピュータでは電圧がビット値(a 1 or a 0)を決めるところで、研究者は、個々の電子を量子等価、“qubits,”として使うことがよくある。電子は、そのタスクに適するいくつかの特性を持つ。電子は、電界あるいは磁界で簡単に操作され、相互作用する。相互作用は、2つのbitsのエンタングルが必要なときには利点となる、量子力学原野を明らかにする。

しかし、相互作用する傾向は問題でもある。漂遊(stray)磁場から電力線まであらゆるものが電子に影響を及ぼし、電子の制御を実に難しくする。

しかし、過去20年、研究者の中にはフォトンを電子の代わりにqubitsとして使おうとしたものもあった。「コンピュータが真に影響をもつようになると、われわれは光を使ってプラットフォームを作ることを研究する必要がある」とShenは言う。

フォトンに電荷はないが、これは逆の問題に行き着く。フォトンは、電子のように環境と相互作用しないが、相互に作用することもない。それはエンジニアにとって問題である、特別なフォトン間の相互作用を作ることも課題となる。従来の考えでは、そうだった。

10年も前ではないが、この問題に取り組んでいる研究者が、例えエンタングルしていなくても、論理ゲートにフォトンが入ると、フォトンが出ていく時に2つのフォトンを計測する行動により、フォトンは、あたかも存在していたかのように振る舞うようになる。計測の独特の機能は、量子力学のもう1つの手に負えない発現である。

「量子力学は難しくないが、驚きでいっぱいである」(Shen)。

計測の発見は画期的であるが、全くの形勢逆転ではない。100万フォトン毎にわずか1対がエンタングルするからである。以来、研究者の成功は増えたが、Shenによると、「それはコンピュータにとっては十分ではない」、1秒に数百万から数十億の動作が必要になるからである。

Shenは、そのような効率の2ビット量子論理ゲートを構築することができた。新しいクラスの量子フォトニック状態を発見したからである。つまりフォトニックダイマー、空間と周波数の両方でエンタングルしたフォトンである。その存在についての同氏の予測は、2013年に実験的に検証された。それ以来同氏は、この新しい光の形式のためにアプリケーションを見つけてきた。

シングルフォトンが論理ゲートに入ると、目立ったことは何も起こらない。入って出て行くだけである。しかし、2つのフォトンがある時。「2つのフォトンが新しい状態、フォトニックダイマーを作るとわれわれが予言したのは、その時である。この新しい状態が極めて重要であることがわかった」。

数学的には、2-bit動作のための論理ケートを設計する方法は多い。これらの多様な設計は、同等である。研究グループが設計した特殊論理ゲートは、制御された位相ゲート(制御された-Z ゲート)。その主機能は、出てくる2つのフォトンが、入り込んだ2つのフォトンのネガティブ状態にあるようにすること。

「古典的回路には、マイナスサインはないが、量子コンピューティングでは、マイナスサインが存在し、しかも重要であることが明らかになっている」(Shen)

2つの独立したフォトン(2つの光qubitsを表す)が論理ゲート入ると、「論理ゲート設計は、2つのフォトンがフォトニックダイマーを形成できるようになっている。その新しい量子フォトニック状態が極めて重要であることが分かった。それによって出力状態が、光論理動作にとって本質的に正しいサインをもつことができるようにするからである」(Shen)。

Shenは、この設計をテストするためにミシガン大学と協働している。それは固体論理ゲートであり、最新の条件で動作可能である。これまでのところ、同氏によると、結果はポジティブのようである。

この結果は、ほとんどものを当惑させるとは言え、分かっている人には確かである。

「パズルのようである。複雑のようであるが、一度実行されると、それを見ることで、それが正しいとわかる」と同氏は話している。

(詳細は、https://engineering.wustl.edu)