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ハーバードSEAS、超深度ホールで光を集束する新しいメタレンズ

October, 26, 2021, Cambridge--メタサーフェスは、光と相互作用するナノスケール構造である。今日、ほとんどのメタサーフェスは、モノリス的なナノピラーを使って光を集束、成形、制御する。ナノピラーが高ければ高いほど、光がナノ構造を通過する時間はますます長くなるので、そのメタサーフェスは、光の各色を多様に制御ができる。しかし、非常に高いピラーは、倒れたり、くっつく傾向がある。高い構造を作る代わりに、他の方法にするとどうなるか。

最近の論文で、Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences (SEAS)の研究者は、高いピラーではなく、非常に深い、著しく狭い穴を利用して光をシングルスポットに集束するメタサーフェスの開発を報告した。
研究成果は、Nano Lettersに発表された。

その新しいメタサーフェスは、1200万を超える針のような穴を、髪の毛の1/20、5-µmシリコン膜に開けて利用している。これらの長く細い穴は、わずか数百nmであり、アスペクト比は、30:1(幅に対する高さ比)。

そのような高いアスペクト比がメタオプティクスで使われたのはこれが初めてである。

「このアプローチは、同じ焦点に様々な色の光を集束する大きな無色メタレンズの実現に使われる可能性がある。これは大面積広帯域無色メタレンズを含む高アスペクト比フラットオプティクス世代に道を開く」と応用物理学Robert L. Wallace教授、Federico Capassoはコメントしている。同氏はSEAS、電気工学Vinton Hayes Senior Research Fellow、論文のシニアオーサ。

論文の共著者、SEASの院生Daniel Limは、「このアスペクト比のピラーを作ろうとすると、倒れるだろう。穴のあるプラットフォームは、機械的な堅牢さを犠牲にすることなく、光ナノ構造を利用できるアスペクト比を増やす」と説明している。

集光するためにサイズが変わるナノピラーと同じように、ホーリー(穴)メタレンズは、2㎜径レンズに正確に位置づけられた様々なサイズの穴を持つ。穴サイズの変化は、光を曲げてレンズの焦点に集める。

「ホーリーメタサーフェスは、幅広いパラメタスペースで光の閉込めや伝搬を制御することでレンズ設計に新たな次元を追加する。また、新しい機能も可能になる。穴は、非線形光学材料、あるいは液晶で満たして光の特性を動的に変調することが可能であり、これは多波長生成や光の操作につながる」とSEASのポスドクフェロー、論文の共同筆頭著者Maryna Meretskaは説明している。

そのメタレンズは、従来の半導体産業工程と標準メタレンズを使って製造された。したがって、将来、大規模製造が可能である。

(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)