October, 20, 2021, Washington--ドイツ、Active Fiber Systems GmbHのSteffen Hädrichは、Optica (formerly OSA) Laser Congressバーチャルウエブコンファランスで新しいレーザを紹介した。
研究チームは、ファイバレーザシステムとマルチパスセルにおける最近の進歩を統合して、高い平均パワー,パルスエネルギー、繰り返しレート、安定したキャリアエンベロープ位相(CEP)動作、前例のない数サイクルパルスの組合せを備えたレーザを実現した。これらの特性により新しいレーザは、ヨーロッパのExtreme Light Infrastructure (ELI)などで次世代アト秒光源の駆動に最適である。
世界最大にして最も進んだハイパワーレーザインフラストラクチャ、ELIは、最高強度、最短時間スケールで光と物質の相互作用を研究するために利用される。ELIのAttosecond Light Pulse Sourceのビームラインは、孤立したアト秒パルス生成で前例のないパフォーマンスを示し、非常に要求の厳しいレーザシステム要件を備えている。
Hädrichは、「そのような他に存在しないレーザシステムの開発は、二次光源への新たな可能性を開く、例えば、前例のないパラメタを持つ孤立したアト秒パルスの生成である」とコメントしている。これらは、次に基本の長さ、時間スケールで電子的プロセスの理解促進を約束するものであり、生物学、化学、物理学、医学における新たな発見に貢献する」。
ELIや他の科学アプリケーションの要求を満たすことができるレーザシステムを実現するために研究チームは、ファイバチャープパルス増幅システムを開発した。これは、8個の増幅器チャネルをコヒレントに統合する。このシステムは、300-fsパルスを放出する、次に2つのマルチパスセルを使って数サイクルレジームに圧縮される。最初のマルチパスセルは、標準的な誘電体ミラーを使って35fs以下パルス幅、1.7mJパルスを達成。第2セルは、メタルベースミラーを使い、パルス幅わずか5.8fsを達成、パルスエネルギーは11mJ、平均パワー110W、繰り返ししレート100kHz。
レーザの高い平均パワーと速い繰り返しレートを十分に利用するには、安定したCEP動作が必要になる。研究チームは、全周波数スペクトルでノイズを特性評価できるシングルステレオ-ATI位相計を使い各パルスのCEPを計測することでこれを達成した。CEP計測は、PIDコントローラに送られ、~400 mrad of CEPノイズを可能にするフィードバックループを作る。
「われわれは、最短パルスと最高圧縮平均パワーを実証した。これらは、100kHzパルス繰り返しレート、10Wの数サイクルMPCsで達成された。さらなる改善で、間もなく300 mrad以下のCEPノイズも達成する」(Hädrich)。
さらに同氏は、「紹介したレーザシステムはELI-ALPSのHR1レーザの要件を満たしている。われわれは、このアプローチをHR2パラメタにスケールする過程にあり、500W、5mJ、6fs CEP安定レーザシステムの実証のためにこのコンセプトを実行する」と付け加えている。