September, 29, 2021, 生駒市/さいたま市--総合光学機器メーカーの株式会社タムロンの研究開発センターと奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大)の先端科学技術研究科・物質創成科学領域・光機能素子科学研究室の太田淳教授、竹原浩成特任助教は、共同で広角撮影が可能な眼底カメラを研究開発し、研究成果を、2021 年 9 月 13 日に開催された「第 82 回応用物理学会秋季学術講演会」において「超広角近赤外カラー化眼底カメラの開発」の講演題目で発表した。
研究概要
タムロンでは、眼底カメラ用に超広角のレンズを専用設計・試作し、この超広角レンズを奈良先端大に提供。奈良先端大で開発された近赤外光を利用した眼底カメラに組み込んだ。この新しい眼底カメラにより超広角の眼底撮影に成功し、その撮影の視野角は約 180 度であることを確認した。今回開発した技術では、瞳孔を拡げるための散瞳剤(点眼薬)を使用することなく、広範囲の眼底像を取得することが可能になる。
技術の特長
今回の成果は、大きく二つの新開発の技術により実現された。一つは、タムロンで試作した超広角レンズ。瞳孔を通して広範囲な眼底を撮影するため、同社の高度なレンズ設計技術が貢献している。二つ目は、奈良先端大で開発された近赤外光の照明技術。瞳孔から近赤外光を眼底の広い領域に安定的に照射するため、さまざまな新規技術が取り入れられた。これら二つの技術を上手く組み合わせることによって、超広角の眼底撮影を実現した。
(詳細は、http://www.naist.jp/)