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Fraunhofer IOSB、車輌内アクティブ検出

September, 15, 2021, Karlsruhe--Fraunhofer IOSBが開発した新しいしシステムは、ドライバーの挙動についての結論を引き出し、いかに迅速に車輌を制御できるかを分析する世界初のシステムである。

自動運転では、車輌が何をすべきかを決定する。ハンドル操作、ブレーキ、加速。しかし、自動車が完全にドライバーなしですますことができるまで、半自動車輌がハンドルを握る者をサポートし、次第に多くの自由を与える。半自動運転の場合、言うまでもなく、自動車からドライバーへの引き継ぎがまだ必要である。例えば、ハイウエイの建設作業、あるいはハイウエイから街への移行がある場合。したがって自動車は、2つのレベルでインテリジェントでなければならない。交通を解釈して、車内で起こっていることをモニタできなければならない。また、ドライバーと協調する必要がある。ドライバーが何をしているか。いかに迅速に車輌をコントロールできるか。ドライバーモニタリングシステムはすでに存在するが、これまでのところ、これらはカメラ画像データを使うのではなく、もっぱら疲労検出に限られている。

人工知能がドライバーの動作を検出
 Fraunhofer IOSBの研究者は、ドライバーと自動車との協力関係に注目しており、ギャップを埋めることに取り組んでいる。「われわれの技術は、顔の特徴を特定るだけでなく、ドライバーや乗客の現在の姿勢も特定できる。これらの姿勢から、ドライバーや乗客が現在していることをわれわれは判断できる」とFraunhofer IOSBグループマネージャ、Michael Voitは説明している。

開発の核心にはマシンラーニングアルゴリズムと処理、つまり人工知能(AI)がある。アルゴリズムがカメラデータをリアルタイムで分析し、ドライバーが電話を使用しているか、子どもと遊んでいるか,乗客の携帯電話を見ているかを見いだす。IOSB技術は、したがって、画像認識を超えて行動を状況において解釈する。研究チームは,最初に、多数のカメラショットに手作業で注釈をつけることでシステムを訓練した。人々の手、脚、肩がどこにある。スマートフォン、本、他のものがどこにあるか。次に、新しい画像を使ってそのアルゴリズムを評価し、結果を補正、検証した。

システムは、デジタルスケルトンを形成するためにドライバー、乗客の画像を抽出する。これは、人の姿勢を複製する一種の棒線画である。結果的に、それは骨格の動き、補完的対象認識を使って行動を推理する。「アルゴリズムは、人が眠っているか、通りを見ているかを指摘でき、人がいかに注意散漫か、道路に注意を向けるまでの時間を指摘することができる」とVoitは説明している。システムは、従来のビデオカメラと暗闇でも見える赤外カメラをサポートしている。同様に、物体とカメラの間の距離を計測する3Dカメラもサポートしている。システムは、カメラの設置場所に関してインテリアデザイナに自由さえ与えている。

研究者は、多くの研究プロジェクトで車内の活動検出に関連する問題に対処している。名高い自動車メーカー、Audi、フォルクスワーゲン、またBoschやコンティネンタルなどのサプライヤと協力している。プロジェクトは、ドイツ教育研究省(BMBF), BMWi、BMBF, BMVIの支持を得ている。「われわれはドライバーの活動を検出するとともに、車内前後の全乗客の動きも検出する。技術は、パイロット製造準備となっている。われわれの技術を使いたい企業とすでに接触している」。開発をリンクするのは研究所独自のドライビングシミュレータである。産業顧客は,個別R&Dプロジェクトとの関連で恩恵を受けることになる。交通状況をシミュレートすると、関連するドライビングや挙動データ収集の基盤を形成する。さらに、その広範なセンサ技術は,全乗客の挙動の研究を意味する。

データ保護が最優先
データ保護とセキュリティ面に関して、研究者は、最初からこれを最優先にしていた。「カメラデータはリアルタイムで分析され、どんな場合でも蓄積されず、車外に出ない。これには個別化モデルは不要であるので、個人データは収集されない」とPascal Birnstillは話している。同氏は、IOSBのシニア研究者、データセキュリティ、データ保護、透明性を専門にしている。

多くのアプリケーション、挙動検出以外
 新しいEU規制は、挙動検出がいかに重要であるかを強調している。ドライバーモニタリングは自動運転では、自動レベルにかかわらず、必須になる。Fraunhofer IOSB技術を使うと自動車メーカーは,この要件を満たすとともに自動運転の実現に関連して様々なビジョンを持てる。一例をあげれば、人と自動車のコミュニケーションで音声認識は、急速にその限界に近づきつつある。コマンド「そこに駐車」は、それ自体では意味がない。しかし、姿勢認識や行動検出と関連付けて使うと、ユーザが、正にその瞬間にどの駐車スペースを探しているかをシステムが決めることができる。システムは、ドライバーレス車輌の安全面でも役立つ。全乗客が安全規則に従い,シートベルトを締めていること確認するのは、現在、まだドライバーの責任であるが、これは、まもなく無人車輌の仕事になる。自動運転タクシー、バスの場合である。車内の信頼できるモニタリングも、これには重要である。

(詳細は、https://www.iosb.fraunhofer.de)