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次世代LEDベースデータ通信に有望な候補

September, 9, 2021, Guildford--サリー大学とケンブリッジ大学の新しい論文は、2つの比較的未踏の半導体材料が、通信業界のかつてないほどのスピードの膨大なデータ渇望をどのように満たすことができるかを詳細に説明している。

LEDベース通信技術により、モバイルフォーンを含め、コンピューティング機器が赤外光を使って相互通信できる。しかし、LED技術は、十分に活用されていない。現状では、LEDデータ通信は、Li-Fiなど他のワイヤレス技術よりも速度が著しく遅いからである。

中国科技大学とともにNatur Electronicsに発表された論文で、両大学の研究チームは、有機半導体、コロイド量子ドット(CQDs)と金属ハロゲン化物ペロブスカイトが、LEDベース光通信システムにどのように使えるかを調査している。

研究チームは、これらLEDsの性能と効率を改善する取り組みを行い、オンチップインタコネクトやLi-Fiに潜在的なアプリケーションがあると考えている。

論文の共同著者、サリー大学のDr Aobo Renは、次のようにコメントしている。
「CQDsとペロブスカイトは刺激的である。ローパワー、コスト効果、スケーラブルな通信モジュールに極めて有望だからである。
 従来の無機薄膜技術は、光通信で引き続き主要な役割を担いそうであるが、これらの物質に基づいたLEDsは、産業にかなりの影響を与える補完的な役割を担える」。

ケンブリッジ大学Ph.D学生、論文の共著者、Hao Wangは、「LEDsの将来のアプリケーションは、照明やディスプレイに限られない。光通信目的で、これらの溶液処理可能な材料をベースにしたLEDsの開発は始まったばかりであり、そのパフォーマンスは、まだ必要なレベルからほど遠い。潜在的な戦略を議論し、その材料、デバイス、システムの側面から、これらのLEDsを使用する実世界通信リンク導入に向けた技術的課題をタイムリーに提出する必要がある」と話している。
(詳細は、https://www.surrey.ac.uk)