August, 20, 2021, Los Angels--OCTは、生体サンプルの3D情報を供給できる非侵襲的イメージング法。OCTシステムの第一世代は、機械的スキャニングセットアップを利用する、時間ドメインイメージングをベースにしていた。しかし、これら時間ドメインOCTシステムの相対的に遅いデータ取得速度は、生きた試料のイメージングでは、その利用は部分的に制約されていた。高感度のスペクトラルドメインOCT技術の登場が、イメージング速度と品質の劇的な向上に貢献した。OCTは、現在、医療診断で広範に利用されている。例えば、眼科では、網膜や下層の組織構造の詳細な3D画像を非侵襲的に取得する。
Light: Science & Applicationsに発表された論文によると、UCLAとヒューストン大学(UH)のチームは、ディープラーニングベースOCT画像再生法を開発した。これは、通常必要とされるよりも大幅に少ないスペクトルデータを利用して組織試料の3D画像を生成できる。OCTで利用されている標準的な画像再生法を利用すると、スペクトルデータの一部が脱落しているアンダーサンプルスペクトルデータでは、再生画像で重大な空間アーチファクトが出る。つまり可視化されるべきサンプルの3D情報と構造的細部が曖昧になる。研究チームの新しいアプローチでは、UCLAとUH研究者は、ディープラーニングを使ってニューラルネットワークをトレーニングし、組織サンプルの3D画像を素早く再生できる。一般的なOCTシステムで通常使用されるよりも遙かに少ないスペクトルデータで再生でき、標準的な画像再生法に見られる空間アーチファクトの除去に成功した。
この新しい方法の有効性とロバストネスは、様々な人間およびマウスの組織サンプルのイメージングで実証された。ここでは、最先端の波長掃引型OCTシステムによる取得されるスペクトルデータよりも3倍少ないデータを利用した。GPUsで走らせるニューラルネットワークは、重大な空間アーチファクトの除去に成功した。重大な空間アーチファクトは、512深度スキャン(Aライン)で構成されるOCT画像では1/1000秒以下でほとんどの空間データポイントのアンダーサンプリング、脱落によるものである。
「こうした成果は、このニューラルネットワークベースOCT画像再生フレームワークの変革的潜在力を際立たせるものであり、これは様々なスペクトルドメインOCTシステムに容易に組みこめ、その3Dイメージングスピードを改善する。再生画像の解像度、SNRを犠牲にすることはない」とUCLAの電気・コンピュータ工学教授、Dr. Aydogan Ozcanはコメントしている。
(詳細は、https://www.ee.ucla.edu)