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新しいアルゴリズムでデジタル画像がより現実的な色になる

August, 17, 2021, Washington--中国西湖大学のフォトニクスとナノテクノロジー計測器研究所(PAINT)の研究チームは、デジタルカメラや電子ディスプレイ開発者がデバイスをわれわれの眼に適合させる際に役立つ新しいアルゴリズムを開発した。

Opticaに発表した研究で、チームは色のデジタル化の新アプローチを説明している。それは、カメラやディスプレイ(コンピュータ、TVs、モバイル機器用途を含む)に適用でき、LED照明色の微調整にも使用できる。

「われわれの新しいアプローチは、今日の市販ディスプレイを改善し、VR/ARグラスなどニアアイディスプレイなど新技術の現実感を増強することができる」とPAINT研究チームメンバー、Jiyong Wangはコメントしている。さらに同氏は、「自然の太陽光を正確に模擬する、病院、トネル、潜水艦、航空機向けのLED照明製造にもそれは利用できる。これは、例えば太陽露光が欠如している人々の概日リズム制御に役立つ」と続けている。

デジタルカラー混合
TVやスマートフォンスクリーンなどのデジタルカラーは、一般に、赤、緑、青(RGB) を混合して作られ、各色に色値が割り当てられている。例えば、RGB値(255、0、0)はピュアレッドを表す。RGB値は、電子デバイスで作られる3つの原色光源の相対的混合比を反映している。しかし、全てのデバイスが同じようにこの原色光を造り出すわけではない。つまり、同一のRGB座標は、別のデバイスでは違った色のように見える。

他の方法、色空間を使って、色相、彩度、色値(HSV)、あるいはシアン、マゼンタ、イエローとブラック(CMYK)などの色を定義する。さまざまな色空間の色の比較を可能にするために、国際照明委員会(CIE)が、われわれの眼の光応答に基づいて目に見える色を定義する基準を発表している。これらの基準を適用するには、電子デバイスを設計し校正する際に、科学者やエンジニアが、RGBなどのデジタル、コンピュータベースの色空間をCIEベースの色空間に変換する必要がある。

新しい研究では、研究チームは、デジタル信号を基準CIE色空間の色に直接関連付けるアルゴリズムを開発した。CIE基準で定義されているように、色は加法混色により作られる。このプロセスは、デジタル信号によって決定される原色光源のCIE値を計算し、次にそれらを混合して色を作る必要がある。CIE基準に基づいて色をエンコードするために、アルゴリズムは、各原色のデジタルパルス信号をCIE色空間の固有の座標に変換する。その色をデコードするには、別のアルゴリズムが、CIE色空間の予想される色からデジタル信号を抽出する。

「われわれの方法は、CIE色空間にデジタル信号を直接マッピングする。そのような色空間はデバイス依存でないので、例え違うデバイスを使用していても、同じ値が同じ色として理解される。われわれのアルゴリズムにより、輝度や色度など、他の重要な色の特性が独立に、正確に扱われる」。

正確な色の作成
研究チームは、LEDsやレーザに関する照明、ディスプレイおよびセンシングアプリケーションで新しいアルゴリズムをテストした。結果は、予想と計算に非常によく一致した。例えば、輝度とは独立した彩度の尺度、色度は、LEDsではわずか~0.0001、レーザでは0.001の偏差で制御できることが示された。これらの値は、非常に小さいので、ほとんどの人は色の違いを理解できない。

研究者によると、その方法はLED光源や市販のディスプレイに直ぐに適用できる。しかし、われわれの目で見ていることを正確に再現すると言う究極の目標の達成は、さらなる科学的、技術的問題を解決する必要がある。例えば、われわれが見ているとおりにシーンを記録するには、デジタルカメラのカラーセンサが、人の眼の光受容体と同じように光に反応する必要がある。

この研究に立脚して、チームは最先端のナノテクノロジーを利用して、カラーセンサの感度を強化する考えである。これは、例えば、色覚異常の人々に役立つ人工視覚技術に適用できる。