August, 17, 2021, Ithaca--コーネルの研究チームは、レーザパルスを高調波発生への記録的な変換を可能にするナノ構造を開発した。これは、高分解能イメージング、アト秒スケールで起こる物理的なプロセスのための新たな科学ツールへの道を開く。
高調波発生は、パルスレーザからのフォトンを遙かに高いエネルギーの1個の超短フォトンと融合するために以前から利用されていた。これにより様々な科学的目的に利用されるEUV光、X線を生成する。従来ハーモニクス光源としてガスが使われていたが、工学部応用・エンジニアリング物理学教授、Gennady Shvetsのチームは、改良されたナノ構造がこのアプリケーションで有望であることを示した。
研究の詳細は、Natrue Communicationsに発表された。Maxim Shcherbakovが研究の主筆。
チームが開発したナノ構造は、超薄共鳴ガリウムリンメタサーフェス。これは、ガスや他の固体による高調波発生に関わる多くの一般的な問題を克服するものである。ガリウムリン材料は、再吸収なしで全次数の高調波を許与する、また特殊な構造は、パルスの全光スペクトルとの相互作用を可能にする。
「これを達成するには、フルウエイブシミュレーションを使ってメタサーフェスの構造改良をする必要があった。われわれは、この条件を満たすために、ガリウムリン粒子のパラメタを慎重に選択した。さらにそれを実現するために特注のナノ製造フローが必要だった」。
結果は、ほとんどの他のハーモニック材料の限界、偶数および奇数次高調波の両方を発生できるナノ構造であり、1.3~3.eVの幅広い範囲のフォトンエネルギーをカバーする。記録破りの変換効率により科学者は、わすか一発のレーザショットで材料内に分子と電子の動力学を観察することができきる。これは、他の方法では、多数のハイパワーショットで劣化するサンプルを保護する役割を果たす。
研究は、シングルレーザパルス照射で発生した高調波の初の観察である。これによりメタサーフェスは、以前に他のメタサーフェスで示したよりも5~10倍のハイパワーに耐えられる。
「それは、超高磁場で物質を研究する新たな機会を開く。これは以前には簡単にできなかった領域である」とShcherbakovは話している。「われわれの方法により、メタサーフェス以外の物質も研究できるとわれわれは見ている。結晶、2D材料、単原子、人工原子格子や他の量子システムなど制限はない」。
高調波発生にナノ構造を利用する利点を研究チームが実証したので、高調波デバイスの改善が見込める。また、結晶など、固体光源の置き替えが、ナノ構造をスタックすることで容易になる。
(詳細は、https://news.cornell.edu)