August, 2, 2021, Palaiseau--C2Nの研究者によると、中赤外(Mid-IR)照射をベースにしたアプリケーションは急速に拡大しており、これが環境アプリケーションに結びついていることは明らかである。Mid-IRカメラがサーマルイメージング分野を後押ししており、それによって熱放出の最適化、低減が可能になっている。加えて、量子カスケードレーザ(QCL)の発明により、例えば危険な公害ガスなど微量ガス分光学に利用できるコンパクトなMid-IRレーザ光源が実現した。
最近の進歩は全て、画期的な光コンポーネントの開発の結果である。ほとんどのフォトニックシステムの重要機能は、GHzあるいはそれ以上の超高速でビームの振幅を電気的に変調する能力。この技術は、テレコム領域の短波長にあるが、Mid-IRの超高速変調は、十分に確認された実用的なソリューションがまだ存在しないことが問題である。
Natrure Communicationsに発表された最近の論文で、C2Nの研究チームは、CNR-IOMイタリアチームと協力して、Mid-IRのためにフリースペース振幅変調器を実証した。これは、室温で少なくとも1.5GHzまでの動作が可能である。
まず、慎重に設計された半導体構造が、適切な波長域の動作に実装された。次に、このアクティブ領域を金属キャビティに挟む。これにより光と物質の相互作用の劇的増加が可能になり、いわゆる強い結合状態の達成が可能になる。デバイスは、電界を利用して、システムを超高速でこの強い結合状態の入出駆動する。レーザがデバイスを照射すると、反射ビームが、同じように変調される。
開かれる明確なアプリケーションの可能性以外に、この発明は、基礎物理学的現象と有用なアプリケーションをエレガントに結びつける。
(a)変調器形状概略: 活性領域は、金属-金属構造に埋め込まれている。外部バイアスを印加することで反射ビームの振幅が変調される。
(b)変調動作原理の直感的見解: バイアス印加がないとシステムは、強力な結合となるように設計されている。2つのポラリトニックブランチは反射スペクトルに見える。特定のバイアスを印加すると、任意の数の量子井戸を枯渇させ、システムを弱い結合状態にする。ベアキャビティモードは、反射スペクトルに見える。
(c)サンプルが、トップレフトから100 MHz、500 MHz、1 GHおよび 1.5 GHzの変調周波数を経験すると規格化ビートノートスペクトルが得られる。変調器の性能は、少なくとも1.5 GHzである。
(詳細は、https://www.c2n.universite-paris-saclay.fr)