July, 8, 2014, Tokyo--横河電機は、ノルウェーのGasSecure AS(ガスセキュア社)と、ISA100 Wirelessに準拠した同社の無線ガス検知器をYOKOGAWAグループが全世界で販売する契約を締結した。
この契約により、横河電機は、プラントで広く使用されるガス検知器を無線フィールド機器のラインアップに加える。一方、ガスセキュア社は、YOKOGAWAの販売網を通じてグローバル市場で無線ガス検知器の普及を図る。
フィールド無線システムは、プラントに設置されるフィールド機器と、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化するシステム。無線通信には、配線が困難な場所にフィールド機器等を設置できる、通信ケーブルや敷設コストが削減できるなど多くのメリットがある。
YOKOGAWAは、ISA100 Wireless に準拠した無線技術および無線対応機器の開発に取り組み、各種の無線対応機器や、有線機器に取り付けて無線機器として使用できるアダプタ等を提供している。一方、ガスセキュア社は、石油・ガス掘削の海上プラットフォーム、備蓄設備、プラントなどで使用する産業用途の無線ガス検知器を開発、製造、販売する専業メーカであり、同社のガス検知器は大手石油会社をはじめとする各国の顧客に採用されている。
YOKOGAWAは、今回の販売契約により、ISA100 Wirelessに準拠した同社の無線ガス検知器を無線フィールド機器のラインアップに加え、グローバルに販売する。安全に対する意識の高まりから、配線が不要で設置コスト・工数を抑えられる無線ガス検知器の需要は増加しており、YOKOGAWAはフィールド無線システムとガス検知器を組み合わせたソリューションを提供することで顧客ニーズに応える。
一方、ガスセキュア社は、YOKOGAWAのグローバル販売網を通じて無線ガス検知器のビジネス拡大を図るとともに、2014年2月に締結した販売契約に基づき、同社ガス検知システムと合わせて横河電機の無線フィールド機器を提供していく。
ガスセキュア社の無線ガス検知器の特長
ガスセキュア社の無線ガス検知器は、爆発の原因の一つである炭化水素の漏れを監視するもの。低消費電力の赤外線センサによって炭化水素の濃度を測定し、無線システムを経由して上位システムに情報を送る。
・信頼性の高いガス漏れ監視が可能
ガス漏れはプラントの事故に直結するので、ガス検知システムは高信頼であることが必須。ガスセキュア社の無線ガス検知器は、赤外線センサを採用し、5秒の更新頻度でデータを更新する。ガス検知器と上位システムは、二重化されたISA100 Wirelessのフィールド無線システムで結ばれており、有線システムと同様の信頼性が確保されている。
・優れた耐環境性
センサの表面を温めて結露を防ぐ機能を搭載しているため湿度の高い場所でも使用でき、北極圏から熱帯までの地域での使用に耐えられる。また、測定は、安定した3つの波長の赤外線を利用して行うため、通常のセンサには不可欠である校正が不要。
・低消費電力
MEMS(Micro electro mechanical system:微小電気機械システム)技術を用いたセンサを採用しているため、平均5mWという低消費電力を実現。他の電池駆動型のガス検知器に比べ、電池交換頻度を大幅に下げることが可能。