Science/Research 詳細

高温安定マイクロ/ナノレーザ設計に新技術ソリューション提案

April, 6, 2021, Shanghai--中国の研究チームは、高効率、超安定低コストのコロイダル量子ドット(CQDs)マイクロレーザを開発した。これは、CQDsレーザとしては最高の動作温度450Kでも動作可能である。

多機能光源コンポーネントとしてのマイクロレーザは、オプトエレクトロニックデバイスには極めて重要である。また、高性能高温安定マイクロ/ナノレーザを実現しようという意欲が30年以上にわたる原動力であった。

CQDsマイクロレーザは、光学特性に影響がない特別な温度や低コスト準備プロセスであることから、重要な研究の焦点である。

研究は、上海技術物理研究所(SIOM)および中国科学アカデミーのZHANG LongとDONG Hongxing主導で行われた。研究成果は、Light: Science & Applicationsに掲載された。

「低パッケージ密度、CQDsと光キャビティとの非効率な結合、微小で複雑なシステムの安定性の悪さのために、実用的なCQDsマイクロ/ナノレーザの実現、特に継続的な高温動作と低コストの可能性を量産合成技術に組合せることは容易ではない。こうした重要な問題を効率的に解決するには、従来のCQDsレーザ研究とは異なる新しいアイデアが必要である」とDONG Hongxingは説明している。

研究チームは、シリカマトリクスに固化されたCQDアセンブリマイクロスフィア(CQDAMs)を製造するためにゾルゲル法と組み合わせた新しいアセンブリ技術を開発した。

新設計マテリアル構造システムは、CQDAMsの高温安定動作を保証するだけでなく、パッケージング密度と結合効率を達成する問題も解決する。

DONGは、「放熱問題は、次世代高集積光電子デバイスには本質的で、不可欠の難題である。われわれの成果は、小型コンポーネントで安定した高温動作を達成することで、直接的なソリューションを提供している」とコメントしている。

「この革新的な溶液処理可能な方法は、複雑な光学キャビティ処理を不要にする。それは簡単動作、制御可能、また量差が容易である。CQDsマイクロレーザは、マイクロ基板に高集積可能であるので、超高輝度で経済的なオンチップ光源に有望である」(DONG)。

「われわれは、CQDsレーザ研究の苦境を突破する独自の方法を見いだし、基本的な性能研究の開発段階から、高温、低コストマイクロレーザへの極めて実用的な適合性、予測される商品化を実質的に推し進める」とDongは結論づけている。

(詳細は、http://english.siom.cas.cn)