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EPFL、グラフェンフィルタ、炭素キャプチャをより効率的、安価にする

March, 18, 2021, Lausanne--EPFLの化学エンジニアは、カーボンキャプチャ用のグラフェンフィルタを開発した。これは市販のキャプチャ技術の効率を上回り、二酸化炭素のトン当たり30ドルにカーボンキャプチャコストを下げることができる。
 
地球温暖化の主因の一つは、主に化石燃料や、鉄鉱やセメントの製造から大気に排出される膨大な量の二酸化炭素である。それに応えて、研究者は、廃棄二酸化炭素を隔離できるプロセスを試して、それを貯蔵場所に移送し、環境に入り込まない場所にそれを堆積する。

問題は、発電所や産業排出からの炭素キャプチャが極めてコスト効果が良くないことである。主要な原因は、廃棄二酸化炭素が純粋に排出されるのではなく、窒素や他のガスと混合しており、産業排出からそれを抽出するには、余分なエネルギー消費が必要になる、つまり高価になることである。

研究者はエルギー効率のよい二酸化炭素フィルタを開発しようとしてきた。「膜」と言われるこの技術は、混合ガスから二酸化炭素を抽出でき、次にそれを貯蔵するか、有用な化学物質に変換することができる「しかし、現在の二酸化炭素フィルタの性能は、現在利用できる素材の基本的特性によって制限されている」とEPFL基礎科学(EPFL Valais Wallis).のKumar Varoon Agrawal教授は説明している。

今回、同教授の化学エンジニアチームが、グラフェンから世界最薄フィルタを開発した。しかしグラフェンは、単に世界最薄であるだけでなく、産業排出からの混合ガスから二酸化炭素を分離できる。効率は、ほとんどの現行フィルタよりも優れており高速である。研究成果は、Science Advancesに発表された。

Agrawalは、「われわれのアプローチは簡便である。われわれはグラフェンに二酸化炭素サイズの孔を作る、これにより二酸化炭素は透過するが、窒素など他の気体を阻止する。窒素は二酸化炭素よりも大きい」と説明している。成果は、記録的に高い二酸化炭素キャプチャ性能である。

比較対象で、現在のフィルタは、1000 GPUs(gas permiation units)を上回ることが必要である。一方、そのカーボンキャプチャ特異性、つまり「二酸化炭素/窒素分離係数」は、20以上でなければならない。EPFL研究者が開発した膜は、11800 GPUsで10倍以上の高い二酸化炭素浸透度を示しており、その分離係数は、22.5である。

「この技術は、カーボンキャプチャコストをトン当たりの二酸化炭素で30ドルに下げると推定される。それに対して、商用プロセスは、2~4倍高コストである。チームは現在、パイロットプラントデモンストレータを開発することでそのプロセスの拡大に取り組んでいる。これは、1日に二酸化炭素10 kgキャプチャできるものである。プロジェクトはスイス政府とスイス産業が助成している」。

(詳細は、https://news.epfl.ch)