March, 16, 2021, Shanghai--上海技術物理研究所(SIOM)と中国科学アカデミ(CAS)は、強電界イオン化分子の非線形変換プロセスを使用して、波長の切替え可能な真空紫外(VUV)と深紫外(DUV)光源の新しい生成法を提案した。生成されたDUV/UUVコヒレント放射は、狭帯域、波長切替え可能性、偏光の完全制御性を含む独自の特性を示している。さらに、コヒレント放射は、DUV/UUVラマンコムの生成にも使えた。研究成果は、New Jounal of Physicsに発表された。
コヒレントVUV (100-200 nm)およびDUV (200-300 nm)光源は、多くの研究に広く適用されている。生化学的動力学、表面構造分析、精密計測、大気化学、ナノリソグラフィなどである。
これまで、そのような光源の生成は、困難であり、主に自由電子レーザなど大型ファシリティに依存している。大規模、複雑な構造、高コストのこれらのファシリティは、そのアプリケーションの普及を制約している。したがって、DUV/UUV領域で、テーブルトップ光源の生成と光場操作技術が強く望まれている。
この研究で、研究チームは、CO+イオンの3つの電子状態を選択して、カスケード量子システムを構築した。NIRとバイオレット励起パルスを採用して、これらのエネルギー状態に共鳴励起を実現した。これらの電子状態の十分な振動エネルギーレベルを活用することで、2つの励起レーザの共鳴4波混合により多様な波長のDUV/UUV照射を選択的に生成できる。これらDUV/UUVコヒレント放射の偏光状態は、バイオレット励起パルスの楕円率を変えることで完全に制御可能である。
さらに、フェムト秒インパルス励起とピコ秒DUVプローブ光の組合せが、効率的ラマン散乱を促進し、100以上のサイドバンドのDUV/UUVラマンコムを生成する。その高いスペクトル分解能とフレキシブルな偏光制御の利点とともに、これらのコヒレント光源は、高分解能分光学や表面科学から光化学および医療までの広い範囲のアプリケーションを開く。
(詳細は、http://english.siom.cas.cn)