March, 15, 2021, Pasadena--Caltechの地震学者は、Googleの専門技術者と協力して、既設の海底通信ケーブルを使って地震を検出する方法を開発した。その技術は、世界中で地震と津波警報システム改善につながる。
Caltech地球物理学准教授、Zhongwen Zhanとそのチームは、「利用中」の光ファイバを伝搬する光を分析する方法を考案した。つまり、既設の利用中の海底ケーブルを利用して、追加装置を利用する必要なく、地震と海の波を分析する方法である。研究成果は、Scienceに発表された。
「この新技術は、実際に、数千キロメートル長の海底ケーブルの大半を地球物理学センサに変え、地震や、将来的にはツナミを検出する。これは、海底の地震活動をモニタする初のソリューションであり、世界中で実行可能である。それは、既存の地上設置地震計やツナミモニタリングブイを補完し、多くの場合、海底地震やツナミを遙かに迅速に検出する」(Zhan)。
ケーブルネットワークは、レーザの利用により機能する。レーザで、ケーブルにバンドルされたガラスファイバに情報パルスを送り、他端のレシーバに200万km/sec以上のレートでデータを供給する。そのケーブルを最適利用するために、つまり可能な限り多くの情報を転送するために、オペレータがモニタするものの一つは、ファイバ内を伝搬する光の偏光である。偏向フィルタを透過する他の光のように、レーザは偏向する、つまり、任意のというより一つの方向でその電界が振動する。電界の方向をコントロールすることで、その同じファイバで同時に多数の信号を伝搬できる。受信端では、デバイスが個々の信号の偏向状態を調べて、それがケーブル経路に沿ってどの程度変化したかを調べ、信号が混合していないことを確認した。
研究では、Curie Cableに焦点をあてた。これは、太平洋の東端に沿ってロサンゼルスからチリのValparaisまで、10000km超の海底ケーブルである。
地上では、温度変化や落雷など、あらゆる種類の擾乱が、光ファイバケーブルを伝搬する光の偏向を変える。深海の温度は、ほぼ一定であり、そこでは擾乱は極めて少ないので、Curie Cableの片端から他端の偏向の変化は、長時間、極めて安定していることを研究チームは確認した。
しかし、地震の最中、嵐で大波が生じているとき、偏向は突然、劇的に変化するので、研究者は、データにそのようなイベントを簡単に特定できる。
現在、数マイル沖合で地震が発生すると、地震波が陸上の地震計に達するのに数分かかる。ツナミ波の確認にはさらに時間がかかる。新技術を使うと、海底ケーブルの全長が、モニタが難しい場所で単一のセンサとして機能する。偏向は、1秒に20回計測できる。つまり、地震が特定エリア付近で起こると、数秒以内に潜在的に影響を受けるエリアに警告が発せられる。
9ヶ月のテスト中(2019年12月~2020年9月)、研究チームは、Curie Cableに沿って約20の中~大地震を検出した、2020年1月28日、ジャマイカで発生したマグニチュード7.7地震を含む。
研究中にツナミは検出されなかったが、研究チームは、南海からの海のうねりによる偏向の変化を検出することができた。このイベント中に観察された偏向の変化は、強力な波がケーブルを通過したときに海底に沿った圧力の変化によるものであると考えている。「つまりわれわれは海洋波を検出できる。したがって、いずれツナミを検出することもできる」とZhanはコメントしている。
研究チームは、現在マシンラーニングアルゴリズムを開発している。これは、検出された偏向変化がシステムへの何らかの変化、船やカニがケーブルを動かしたなどではなく地震あるいは海洋波によるもにのであるかどうかを判定できる。検出および通知プロセス全体は重要な情報を提供するように自動化され、それに、陸上ベースの地震計や、NOAAが運用するDARTシステムのブイで収集されたデータが加わる。