March, 12, 2021, Shanghai--先頃、上海技術物理研究所(SIOM)、中国科学学院(CAS)は、極紫外リソグラフィ(EUVL)にソースマスク最適化(SMO)技術を提案した。これは、厚いマスクモデルとソーシャルラーニング粒子群最適化法(SL-PSO)アルゴリズムをベースにしている。シミュレーション結果は、提案技術が、最適化効率でヒューリスティックアルゴリズムをベースにした同様のSMO技術に先行していることを暗示している。研究成果は、Optics Expressに発表された。
リソグラフィは、超大規模集積回路(VLSI)製造における重要技術の一つ。集積回路の臨界寸法(CD)を連続的に縮小すると、光学的近接効果はリソグラフィイメージング品質を大幅に劣化させる。コンピュータリソグラフィは、数学的モデルと最適化アルゴリズムで照射光源とマスクパタンを最適化することで分解能とプロセスウインドウを効果的に改善する技術であり、リソグラフィのハードウエアおよびソフトウエア構成を変える必要はない。コンピュータリソグラフィは、ムーアの法則の新たな原動力と見なされている。
EUVLは、最先端のリグラフィ技術であり、5 nmプロセスノードの量産(HVM)に適用されている。EUVLの特性により、マスクの厚さなどは、光源波長よりも遙かに大きい。また光学系は反射型であり、対応するコンピュータリソグラフィ技術は、従来技術とは全く異なり、世界で広範に研究されている。
SMOは、極めて重要なコンピュータリソグラフィ技術。それは光源とマスクパタンを同時に最適化して、イメージング品質を改善する。SIOMの研究グループは、厚いマスクモデルとSL-PSOアルゴリズムに基づいてEUVLにSMO法を提案した。構造分解法(SDM)に基づいたファスト厚型マスクモデルをピクセル化されたマスクのイメージングシミュレーションに適用、シミュレーション精度は、薄型マスクモデルと比べて改善されている。次に最適化結果を検証するために厳密な電磁シミュレーションを実行。ソースとマスクパタンはSL-PSOアルゴリズムで最適化され、これはソーシャルラーニング戦略による最適化効率を改善。それに加えて、SL-PSOアルゴリズムにおける初期群をコントロールするために、初期化パラメタが調整され、最適化効率と最適化されたマスクの製造可能性の両方が改善された。最適化は、様々な目標パタンで実行された。シミュレーション結果は、ヒューリスティックアルゴリズムベースの他のSMO技術よりも最適化効率における提案技術の優位性を実証している。
(詳細は、http://english.siom.cas.cn)