February, 17, 2021, Boston--「ステルスモード」から出現したばかりのスタートアップ、Metalenzは、過去10年以上も変化がなかったスマートフォンレンズの未来についてビジョンを発表した。
センサ技術は、時間とともに著しく変化し、改善が続いているが、レンズ技術は、むしろ停滞しており、2007年にiPhoneが発売されてから,基本的に変化していない。
Metalenzは、光メタサーフェスという新技術を利用する「フラットレンズシステム」でレンズ技術を変革したいと考えている。この技術で構築されるカメラシステムは、より多くの光を集光しながら、優れているとは言わないまでも、従来レンズと同等の画像を生み出すことができる。また、占めるスペースを小さくできる。
Wired掲載のレポートによると、Metalenzは、全てのカメラ用レンズのデファクト設計、レンズ素子という考えをどのようにまとめて捨て、それらを、1×1から3×3サイズのガラスウエハ上に構築された単一レンズで置き換えるかを説明している。顕微鏡で見ると、このウエファ上のナノ構造は、人の髪の毛幅のわずか1/1000である。
そのナノ構造は、従来のマルチレンズアレイと同様に光を曲げることができる、また従来レンズにある欠点の多くの補正さえできる。
光は、前述の光メタサーフェスを構成するナノ構造を透過するので、結果は湾曲レンズで行われることと同じである。
Develinの説明によると、「光を曲げるために湾曲レンズが光の速度を変えるのは面倒である。われわれは、これらの円の直径を変えることで光を曲げたり,成形したりできる」。
結果としての画像品質は、従来のレンズアレイから期待するものよりもシャープであるが、多数のレンズを相互にスタックするときの収差という欠点はない。Wiredによると、Metalenzは、すでに半導体メーカー二社と提携している。両社とも、その光メタサーフェスを量産できる。この点は、コンシューマ製品として成功するには重要である。
Metalenzによると、今年末までには量産にとりかかり、その最初のアプリケーションは、ある会社のスマートフォン搭載の3Dセンサになる。その3Dセンサは、AppleのFaceIDセンサに見られるものと類似であるが、被写体照射にレーザを使う必要がない。集光能力が技術的に向上したためである。Metalenzの主張では、その製品は、節電機能が優れている。
(詳細は、https://petapixel.com)