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通信とバイオセンシングを改善する高効率メタサーフェス

February, 15, 2021, Wahington--デューク大学の研究チームは、センチメートルスケールのメタサーフェス全面で記録的に高い光効率を達成する新しいプラズモンメタサーフェスを作製した。その進歩により、光ベースの通信から蛍光ベースのバイオセンシングまでの幅広いアプリケーションで実用的に利用できる新しいナノ構造薄膜ができる。

「光プラズモニック構造を実用的なアプリケーションに用いるための大きな障害は、それらがあまりに非効率であり、またナノスケール特性をより大きなサイズに拡張することが簡単でないことである。われわれはこれらの制約の両方を克服するプラズモニックメタサーフェスを設計し、最適化した」と同大学、研究チームリーダー、Maiken H. Mikkelsenは説明している。

Opticaに発表された論文で研究チームは、光が吸収され、表面プラズモン共鳴により蛍光として放出される強度とスピードを強める、ナノ構造メタサーフェスの設計法を説明している。表面プラズモン共鳴は、光のある波長が金属表面の自由電子が、金属とインシュレータの界面、あるいは誘電体面との間で相互作用するときに起こる。

「われわれの研究では、プラズモン構造が、光の吸収と放出の両方の強化に極めて有用であることを示している。単に微小ナノキャビティからだけでなく、広いウエハスケールでも有用である。これは、通信アプリケーションで使う超高速オプトエレクトロニクスデバイスで利用でき、蛍光ベースのバイオセンサの感度増強もできる」とMikkelsenは説明している。

光放出の高速化
新しいメタサーフェスを造るために研究チームは、金膜と100nm幅銀キューブの間に蛍光染料分子をサンドイッチしたナノ構造を作製した。光がその構造に当たると、局所化された表面プラズモンを励起する、これらは金属内の自由電子の集団振動である。これが、染料周囲の電磁場を強め、染料は入力光に励起されると高速に光を放出する。

膜とナノキューブ間をわずか10nmにすることで研究チームは、メタサーフェスウエハ全体の自然放出速度を飛躍的に高速化できた。さらに効率を高めるために、チームは、多層染料を使った。

「われわれの新設計で、メタサーフェス全体が効率的になるので、完全なナノ構造のつまみ食いをする必要がない。大きな入射角度からの光を吸収し、狭い円錐形で高速に再放出するためにも利用できる」(Mikkelsen)。

前例のない効率
新しいメタサーフェスのテストは、入力励起光の放出蛍光への変換で約30%の記録的効率を示すことが分かった。ナノスケール構造は、センチメートルスケールメタサーフェス全体で14GHzを超える光変調速度も維持した。これは、これまでに証明されたことがない。通信アプリケーション向けでは、より高速の光変調により、一段と高いレートの光信号で多くのデータをエンコードできる。

その新しいメタサーフェスは、より強力な蛍光信号の生成に役立つ。これにより新しいバイオセンシングやイメージング法が可能になる。インコヒーレント光の高速光源、光ワイヤレス通信向けの新しいタイプのディテクタとなる高速LEDへの道も見込める。